【産業天気図・証券業】内外の投資環境さえず手詰まり感、利益減速基調強まる

証券業は『曇り』の空模様が続きそうだ。
 2004年9月中間決算は、9月末時点での上場21社にみずほ、イー・トレード、カブドットコムの3社を加えた主力24証券中、前年同期比で経常増益を記録した会社は15社にとどまった。期初の株式相場活況で受け入れ手数料は全社で増加したが、為替が円高傾向となったことで前期決算を牽引した外債販売が急減。こうした外債販売によるトレーディング益の減少度合いが、おおむね中間期における各社の明暗を分けた。
 下期に入ってからも国内株式市場はボックス相場が長引いており、証券各社からは「こうした方向感が出ない相場が業績にはもっとも厳しい」との声が漏れる。海外市場では米国株に持ち直しが見られるものの、円高懸念が重しとなって外国株、外国債券とも手がけにくい状況が続いている。各社ともタンス株の取り込みや個人向け国債の販売など資金導入に努めているが、利ざやの厚い外債から個人向け国債のシフトが足元の業績に与えるマイナスは大きい。企業の資金調達活動の活発化や新規公開企業の増加などから、投資銀行部門は堅調が見込まれるが、株式委託手数料やトレーディング益の減速が響き、2005年3月期決算は主力証券中過半の会社が経常減益に陥る公算が強まっている。
 最大手の野村ホールディングスは、上期のトレーディング益の減少が足を引き、通期業績も減益となる公算が出てきた。2位の大和証券グループ本社は、三井住友銀行との連携による投資銀行業務や仕組み債販売の拡大などが奏功し、大手3社の中では比較的底堅い業績を維持する見通しが強い。一方でブロードバンドの普及などを追い風に、大手ネット専業証券は業容の拡大が続く。中でも、この11月30日に公開したイー・トレード証券は、顧客数の増加やファンドなど販売の好調を背景に、通期では経常利益で106億円と前年同期比で2.3倍の大幅増を狙う方針だ。
【水落隆博記者】


(株)東洋経済新報社 電子メディア編集部

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