『ツーリスト(The Tourist)』--観光客が日本を救う《宿輪純一のシネマ経済学》

拡大
縮小

本作品はハリウッドの2大「ドル箱スター」(今はドル安基調なのでこの言い方しませんね)のアンジェリーナ・ジョリー(35歳)とジョニー・デップ(47歳:ウサギ年の歳男)の贅沢な組み合わせ=初共演によるサスペンスである。

どうでもいい話であるが、実は小生は彼と同い年である。そして映画業界では同い年で頑張っている方が多い。前後1年ぐらいは誤差として含めると、ほかにもトム・クルーズ、ブラッド・ピット、ニコラス・ケイジ、ラッセル・クロウ、ジェット・リー(李連杰)などがそうで、監督ではクェンティン・タランティーノもいる。私はそろそろ……という感じであるが、彼らは今が絶頂期である。勝手に刺激を受けて、頑張る糧にしている。

さて、この『ツーリスト』であるが、最近はやりのリメイクである。元の映画はフランス映画『アントニー・ジマー』(2005年)であり、今回はドイツ/オーストリア国籍のフロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督(長い!)がメガホンを取った。
 
 彼はこの前の作品『善き人のためのソナタ』(06年)でアカデミー外国語映画賞を受賞したが。
 
 ストーリーは、アメリカ人のフランク(ジョニー・デップ)が傷心を癒やすためイタリアを訪れていた。映画でよくある話であるが、ベニスに向かう列車の中で上流階級の美女エリーズ(アンジェリーナ・ジョリー)に声をかけられ、魅力あふれるエリーズに誘われるがまま、アバンチュールに酔いしれる。

しかし、世の中それほど甘くない。お約束どおり、知らないうちに巨大な事件と陰謀に巻き込まれていき、フランクも追われる身となる。そして、ラストのどんでん返しにはアッと驚くとなる。きっと楽しめよう。

さらに、この映画の撮影地であるベニス、パリ、そしてローマの風景が大変に美しい。本作品の『ツーリスト』の気分で味わうことができる。私も旅行は大好きである。しかし、この旅行者というか観光客が日本経済を救う可能性もあるのだ。

昨年6月に閣議決定された「新成長戦略」の成長分野として観光立国があげられており、それも「観光は少子高齢化時代の地域活性化の切り札」とされている。

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT