調味料マニアの私が「塩」しか買わなくなった理由 「砂糖、酢、醤油、味噌」はどうしているのか?

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でも実はそのような道からスッパリと足を洗うやり方もあって、実際やってみれば何が損なわれるわけでもミジメになるわけでも何でもなかったという体験を聞いておくことは、この、一寸先は何が起きるかわからない、つまりはいつ疫病やら災害やら戦争やらで欲しいものがパッタリと買えなくなるかもしれない世の中で、精神的なお守り程度にはなるんじゃないかと思うのであります。

ってことで、軽い気持ちで読んでいただければ幸いである。

まずは砂糖をやめてみた

右肩あがりに増え続ける一方だった調味料を「減らす」という人生初のチャレンジを始めたきっかけは、何と言っても収納のない家に引っ越してしまったことである。つまりは決して積極的な行動ではなく、仕方なくそういうことになってしまったのだった。

スペースの関係上、どう考えても世界の調味料は諦めざるをえなかった。ってことで日本の基本的な調味料だけを残したんだが、ショックのあまり多少ヤケになっていたのだろう。この際、日本の調味料といえども厳しくリストラを敢行してやろうじゃないのという気になったのである。

ターゲットになったのは「砂糖」。これは、当時凝っていた「マクロビオティック」の考え方によるところが大きい。マクロビでは砂糖を「体に害のある食品」とみなし、自然の甘みで料理することを推奨しておりまして、なるほどそれはダイエットにもなるかもと半信半疑ながら少しずつ実践していたわけです。

玉ねぎをよく炒めたり、切り干し大根の煮汁をそのまま料理に使ったり、砂糖の代わりにドライフルーツを使ったり、甘みのある麦味噌を使ったり……で、確かにやってみれば、最初のうちは物足りなかったのが、慣れてくるとだんだん平気になってきて、そのうち砂糖を使うと味が「しつこい」ような気がしてきた。

なのでこの際、思い切って砂糖がなくても「みりん」でオーケーってことにすればいいんじゃ? と、生まれて初めて「砂糖のない家」で暮らすことになったのである。

ま、最初はそこからのスタートだったんだが、この「なくてもなんとかなる」という体験の波及力は案外大きくて、そのうちみりんも「酒で十分なのでは?」となって買わなくなってしまった。

ってことで、わが家の調味料は「塩、酢、醤油、味噌」だけになった。ここまでが「第一革命」である。

次ページさらに「第二革命」が起きた
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