「成績下がったらスマホ没収」に見える2つの問題 スマホ使い過ぎの高校生に親としてできること

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(2)親は子どもの短所を指摘しない

子どもが勉強に向かうための方法の一つとして、子どもの自己肯定感を高める方法があります。そのためには、長所を伸ばすような接し方をしましょう。つまり、子どもの良い点を見つけ、それは口にしてみるのです。親がなかなか長所を伸ばすような視点が持てない場合は、まずは短所を指摘しないだけでも大きな前進です。

長所は自然とできていることが多いため、自分ではなかなか長所を自覚できません。しかし、短所は自分で自覚していることが少なくありません。ですから、人から短所を指摘されると腹が立つわけです。腹が立つことで、親子関係の悪化のみならず、勉強面にも影響がでることがありますので、短所の指摘は控えてみてください。

(3)親は日常において、話を聞く側に徹し、余計な詮索や子どもの将来の不安を口にしない

前述したように、雑談などをベースとしたコミュニケーションは信頼関係を作る最良の方法です。そのためには、親よりも子どものほうが多く話をしている状態を作ります。つまり、親は聞くことに徹するということです。もちろん、「なぜなの?」「それはどういうことなの?」といった簡単な質問したり、相槌を打ったりはしますが、子どもの将来や進路に対して、詮索したり、不安を口にすることはしません。それにより子どもが心を閉ざすこともあるからです。

要となるのはコミュニケーション

コミュニケーションの中で、子ども側から、進路や成績の話を切り出してくことがあります。そのときは真剣に将来の話を受け止めてほしいのですが、親はアドバイスするよりも、「どうしたらいいだろうか?」と一緒に考えるスタンスをとるのがいいと思います。

以上、スマホルールに関する2種類の提案とコミュニケーションに関するあり方についてご紹介しました。これを機会に、子どもとの対話を重視し、これまでどう子どもに関与してきたのか、振り返って棚卸ししてみてください。子どもの様子に変化が出るまでには多少の時間がかかりますが、徐々に変わっていくはずです。

石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4000人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、Mama Cafe、執筆、講演を精力的に行う。国際経営学修士(MBA)、教育学修士。著書に『子ども手帳』『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』ほか多数。

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