普及間近!ウエアラブル端末の近未来を読む 3大シンクタンクが読む2015年の日本<第6回>

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技術的な成熟に至る経路、普及までの課題を考慮して、ウエアラブルコンピューティングの今後を予測したものが「ウエアラブルコンピューティングのITロードマップ」である。

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(出所)野村総合研究所

まだ市場形成が始まったばかりのウエアラブル関連市場においては、いきなり生活者に向けた端末・サービスが爆発的に普及するものではない。生活者向けの端末が市場に受け入れられるまでの間は、まずは企業内で、ハンズフリー業務が必要な部署の従業員向けなどに限った、試行的な利用が先行して始まると野村総合研究所ではみている。

技術の進化とともに、複数のウエアラブル端末や環境に埋め込まれたセンサー同士が連携したり、画像認識や音声認識などのインテリジェントなクラウドサービスとウエアラブル端末がつながったりするようになる。最終的には、ウエアラブル端末は利用者のおかれた状況にマッチしたサービスを提供するコンシェルジュのような役割を果たすようになるだろう。

ウエアラブルコンピューティングは、ユーザインターフェイスに大きな革新を起こすテクノロジーであるだけに、普及までにそれなりの助走期間を必要とする。しかし、その分、われわれのビジネスや働き方に及ぼす影響は大きい。表面的な変化を追うのではなく、大きな潮流をつかみ、適切なタイミングでウエアラブルコンピューティングがもたらす破壊的変化をビジネスに活用したいものである。

本記事に記載された会社名、製品・サービス名はそれぞれ各社の商標もしくは登録商標です。

野村総合研究所の新刊『ITロードマップ 2015年版』好評発売中

亀津 敦 野村総合研究所 上級研究員

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かめつ あつし / Atsushi Kametsu

野村総合研究所デジタルビジネス開発部、上級研究員。精密機器メーカーの情報システム部門・経営企画部門勤務を経て、2000年に野村総合研究所に入社。以降一貫しITアナリストとして先進技術動向の調査に従事。専門はナッレジマネジメント、ビジネス・インテリジェンスなど情報系システムと、IoTやウェアラブルデバイス、VR・ARなどコンシューマテクノロジー動向。

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