iPhone無双!アップル「超優秀決算」の衝撃 たった3カ月で7447万台も売れていた

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待望のウェアラブルデバイスApple Watchについて、Tim Cook氏は、「2015年早期」という約束を守るべく、4月に出荷を開始することを明らかにした。

Apple WatchはiPhoneと組み合わせて利用するウェアラブルデバイスで、既に2014年9月9日のiPhone 6・iPhone 6 Plusの発表会時に披露され、その後2014年11月にApple Watch向けアプリを開発することができるWatchKitを開発者向けに公開している。

その後情報の少なさ、発売までの時間の長さから消費者の関心をやや失いつつある中での発売のタイミングの発表は、製品を待っている購入希望者にとって嬉しい情報となるだろう。

またやはり9月9日に発表され、10月20日から開始されたアップルのモバイル決済サービスApple Payについてのデータも披露された。

これによると、非接触決済の2/3以上のシェアを確保しており、Apple Payを導入した高級スーパーチェーンのWhole Foods Marketではモバイル決済が400%増加、ベーカリーチェーンのPanera Breadはモバイル決済の8割がApple Payだったと述べた。

またApple Payをサポートするカード銀行は発表当時の500行から750校に増えており、USA Technologiesが発表した20万箇所の自動販売機やランドリーでもApple Payが利用できるようになる点に触れた。

Apple Payの課題は、米国内ではよりたくさんの場所で利用できるようにパートナーを増やすこと、そして米国外での利用環境を整えて行くことだ。

正しいことを着々と実行する強さ

今回は決算発表だったが、重要市場となった中国での取り組み、そしてアップルの新しいサービスとなったApple Payに関するアナウンス、新たな情報が多く含まれていた。

Apple Watchが4月に出荷されるということは、1月から3月までの2015年第2四半期には含まれないことになり、引き続き、iPhoneとiPad、そして新製品も噂されるMacに注力していくことになる。

気が早いかもしれないが、2015年のiPhoneはこれまでのリリースを踏襲するならば、現行モデルのセカンドバージョンになる。またHomeKitやHealthKit、CarPlayといった外部機器との連携手段の充実などを含め、iPhoneを核としたビジネスの構築と充実というのが、基本的な方針となる。

奇をてらったり驚きを与えることは少ないかもしれないが、正しいことを着実にすすめていくアップルの強さを目の当たりにする1年になるのではないだろうか。

松村 太郎 ジャーナリスト

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まつむら たろう / Taro Matsumura

1980年生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。著書に『LinkedInスタートブック』(日経BP)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、監訳に『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP)など。

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