三菱自動車、新型セダンの展開に誤算 ルノー・日産連合との協業拡大が一部とん挫

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2010年に提携を発表した日産と三菱自動車。2013年には協業の拡大を打ち出した

軽自動車の合弁事業をはじめ提携を拡大してきた三菱自動車とルノー・日産連合。その中でプロジェクトの1つがとん挫していたことが明らかになった。

2013年11月、両社はグローバルで商品・技術において協力関係を拡大させることを発表している。具体的な内容は、①軽自動車をベースにした小型車のグローバル展開、②電気自動車に関する技術や商品の共用、③ルノーから三菱自動車への新型セダン2車種の供給、という3本柱だった。

 1月中旬に検討中止が決定

このうち、ルノーから三菱へのセダン2車種の供給についての検討を中止することが1月中旬に決まった。第1弾として予定されていたのは北米市場向けの大型セダンだった。同セグメントは、トヨタ自動車の「カムリ」やホンダの「アコード」といった、有力車種がひしめく最量販市場だ。三菱もかつて北米専用車「ギャラン」を販売していたが、台数の低迷を理由に2012年に生産を中止していた。

しかし、北米の三菱ディーラーからはこの人気セグメントに新車種を望む声が多かった。そこで、韓国・釜山にあるルノー・サムスンの工場で生産されているルノーの「ラティチュード」を、三菱ブランドの新型セダンとして北米に投入する協議が進められていた。

第2弾はグローバル市場の展開を狙った中型セダンで、ルノーの生産工場から供給を受けるというものだった。2車種とも検討が中止となったことで、三菱自動車は北米での大型セダンの投入自体が白紙に。一方、中型セダンについては、「世界を視野に入れており、当社として非常に重要な車種。他社から供給を受けるか、自社開発するかを含めて、総合的に検討している」(三菱自動車・広報部)という。

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