経営者は「部下に尋ねて、部下を育てよ」

幸之助が考える、会社を発展させる道

昭和の大経営者である松下幸之助。彼の言葉は時代を超えた普遍性と説得力を持っている。しかし今の20~40代の新世代リーダーにとって、「経営の神様」は遠い存在になっているのではないだろうか。松下幸之助が、23年にわたって側近として仕えた江口克彦氏に口伝したリーダーシップの奥義と、そのストーリーを味わって欲しい。(編集部)

昭和52年(1977)4月、出社しようとしたところに、松下幸之助から電話。来てくれんか、ということで、急遽、松下の、平日、起居している松下病院の4階の部屋に行く。もう、すでに食事も終わって、ソファに座り、新聞を読んでいた。

「部下より賢い」という態度は損

「おはよう。まあ、座れや。特別に、用はないんやけど」と言いながら、さまざまな仕事の指示を出してくる。メモをとる。ひと通りの指示があって、その後、雑談。

「まあ、わしは、社員に、いろいろと教えてもろうてな、仕事をしてきたな。会社が大きくなったのは、そやから、社員のお蔭や。わしは、あんまり、知識がないからな。それで、社員に聞くんや。皆、よう知っとるわ。こうしたらどうですかとか、それはあきませんとか、言うてくれる。わしが大将やからな、最終的には、わしが決めるけど、おおいに参考になる、どの話もな。

当連載の関連書籍「ひとことの力」は好評発売中です。上の画像をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします。

だいたい、部下にものを聞く、尋ねるとな、ええことばっかりや。話を聞くということは、指導者というか、経営者としてこんな得な、ええやり方はないわな、早い話。

けど、一般的にそういう人たちは、分かっておるのやろうけど、指導者として、経営者として、部下の人より賢いところを示さんといかんというような、そんな態度をとる人が、どちらかと言えば多いな。本当は、そういう態度をとったら、損なんや。

指導者、経営者にとっていちばん大切なことは、知ったかぶりしたり、いばることではなくて、会社を発展させる道を見つけ出すことやな。

次ページ人間ひとりの知恵には限度がある
関連記事
Topic Board トピックボード
人気連載
Trend Library トレンドライブラリー
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

Access Ranking
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • いいね!

※過去48時間以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※週間いいね数のランキングです。

トレンドウォッチ
JR九州“脱鉄道”の成算

今年、上場を果たしたJR九州。豪華寝台列車「ななつ星in九州」は話題になった。しかし、人口減少などもあって鉄道事業の先行きは暗い。成長は非鉄道事業の成否に懸かっている。