ゴールデンウィークが「最後の宴」となったわけ 物価高が負担、年後半は内需中心に景気下振れ

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ところが、同じく内閣府が5月2日に発表した「消費動向調査」は予想外に弱い結果となった。消費マインドを示す消費者態度指数(2人以上世帯、季節調整値)は33.0(前月差プラス0.2ポイント)と、低水準でほぼ横ばい。家計の「暮らし向き」は4カ月連続で低下した。景気ウォッチャー調査と消費動向調査の結果は大きく乖離している。

消費者態度指数:暮らし向き、収入の増え方、雇用環境、耐久消費財の買い時判断、資産価値などの今後半年間の見通しについて、世帯がどのような意識や判断をもっているかを回答区分(5区分:良くなる、やや良くなる、変わらない、やや悪くなる、悪くなる)から選んでもらい、その回答区分ごとに回答割合を示したもの。

半年先を見た消費者の悲観

両者の乖離が大きくなっている背景としては2つの要因が考えられる。
1つ目は「見通し期間の違い」である。景気ウォッチャー調査の先行き見通しは「2~3カ月先の景気の先行き」であり、比較的短期の見通しが反映される。一方、消費動向調査は「今後半年間」を問うている。普段は「2~3カ月先」と「半年間」の差は生じにくいが、2~3カ月程度のサイクルで新型コロナウイルスの影響が生じていたため、景気ウォッチャー調査は感染動向に振らされやすい。

2つ目の理由は「調査対象の違い」である。景気ウォッチャー調査は「地域の景気に関連の深い動きを観察できる立場にある人々」とされ、経営者や営業担当者などが対象である(供給側)一方、消費動向調査は家計が対象(需要側)。供給側と需要側で景気の見方に乖離が出ている可能性がある。

次ページ企業は「感染の波」を重視、家計は「インフレ」を警戒
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