転職するだけが、キャリアアップではない 希少なスキルはやり切ることで身に付く

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その一方で、現在のポジションに長年就業され、考えられるかぎりのアプローチやコミュニケーションを、経営層ととってきたと胸を張って言える自信があるのであれば、自身がより成長できると考える他社に移るのも、当然、選択肢でしょう。

ただし、想像するに現在の勤務先は成長過程の企業のようです。その中で海外の立ち上げとマネジメントをできるというチャンスは、誰にでも巡ってくるものでもありません。おそらく、世の中のコンサル会社勤務者や卒業生でも、そういった仕事をやりたいという人は非常に多いでしょう。大変ながらやりがいもあり、誰にでもできる仕事ではない、ということです。

30代からの転職と考えると、管理職経験も重要な要素のひとつになってきます。その際に、中小企業の管理職ではなく、海外で現地の方を含めたマネジメントをしつつ本社を動かすという経験をしてきましたというのは、大きなアピールポイントになるかと思います。

したがって、現在、海外子会社に行きご自身の実績である、と胸を張って言える実績がどの程度あるのかにもよりますが、仮にまだやれることがあるということであれば、将来を考えると私は現在の場所で頑張るのがベストだと思います。本社サイドと激しい議論を重ねていないのであればなおさらです。

目の前にある無理と思えるような仕事こそが、自分を成長させてくれるものです。短期的にはつらいですが、20代、30代で経験した修羅場はその後に絶対に生きてくると思います。R.K.さんが目の前の壁を越え、さらなる成長をすることを応援しております。
 

※安井さんへのキャリア相談は、こちらまでお送りください。

安井 元康 『非学歴エリート』著者

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やすい もとやす / Motoyasu Yasui

MCJ社長兼最高執行責任者(COO)。アニメーションの企画・制作を手掛けるベンチャー企業を経て、MCJにて東証への上場を経験。その後、経営共創基盤にて戦略コンサルタントして9年間活躍し、2016年3月にMCJに復帰。著書に学歴コンプレックスに悩みながらも独自の方法でキャリアを切り開いてきた様子を描いた『非学歴エリート』(飛鳥新社)や、自分ならではの人生を生きる術を描いた『極端のすすめ』(草思社)等がある。

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