ゴルフをしないビジネスマンが損すること 「ぜいたくな遊び」と敬遠していたら…

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日常から隔絶された空間で、同じ時間を共有すれば思わず本音が漏れることも?(写真: wavebreakmedia / Imasia)

時には、ゴルフをしている最中に新聞記者でいうところの「ニュース」をつかむこともある。ゴルフの空間には「ネタ」や「ニュースソース」が転がっていると実感している。異業種の人と話すことで、情報や知識も増えてきた。なにより、隔絶した空間でほかに人に聞かれる心配がほとんどないので、自分も含めて本音がでたり、饒舌になったりするようだ。

よく「ゴルフをすれば、その人の人格がわかる」と言われる。スポーツの中で唯一、自分が審判をして、すべて自分で決める。いいことも悪いことも、自分に降りかかってくるので、性格などがプレーやマナーに表われやすいといわれている。確かに、そう思うこともよくある。具体例は今後に譲るとして、逆に言えば自分も見られているということにもなる。お得意さん相手のゴルフだとしても、あまり気負わず、あまり気を使わずにやりたい。

平日なら5000円で楽しめる場合も

休日にゴルフをして、交通費や食事を入れて2万円ほどだろうか。平日なら半額ぐらいで済む。いまは、需要と供給のバランスで「買い手(プレーヤー)市場」なので、インターネットで予約サイトを見ても、バブル期のような「休日5万円」なんていうゴルフ場はほとんどない。ちょっと遠出すれば平日5000円を切るゴルフ場も少なくない。小遣いで行けるかどうかは別として、将来自分にとって有益な時間になるとしたら、高いか、安いか。

よく政治家が事件、事故など有事の際に「ゴルフ場にいた」「ゴルフをしていた」と、メディアに叩かれる。スポーツクラブにいたり、遊園地にいたりしても、そんなに目くじらを立てられないが、ゴルフは別だ。

ゴルフ場とは一般的には「特殊な空間」で、ゴルフをしない人にはやや理解できないぶん、批判される(する)に足る場所なのかもしれない。筆者が新聞社に勤めていたころは叩く側にいたのだが、「ゴルフに罪はない」「批判された政治家のほうに問題があるから巻き込まれただけだ」と、個人的には思っている。

なぜ批判されるのか。ゴルフへの感情は抜きにして、たぶん、ゴルフ場は政府機能のある場所から遠く離れていることがほとんどで機敏な動きができない、ゴルフ場では、いったんプレーに出ると外と連絡を取るのが難しくなることなどがあるのだろう。「ゴルフ場で携帯がつながる」ことを売りにした電話会社もあったが、裏を返せばそれまではつながらなかったことが、特殊環境を生んでいた。

一般の個人にしても、本当は仕事抜きで楽しむのがいちばん。携帯電話はよほどのことがない限り、ロッカーに置いていった方がいいことがあるかもしれない。

赤坂 厚 スポーツライター

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あかさか あつし / Atsushi Akasaka

1982年日刊スポーツ新聞社に入社し、同年からゴルフを担当。AON全盛期、岡本綾子のアメリカ女子ツアーなどを取材。カルガリー冬季五輪、プロ野球巨人、バルセロナ五輪、大相撲などを担当後、社会部でオウム事件などを取材。文化社会部、スポーツ部、東北支社でデスク、2012年に同新聞社を退社。著書に『ゴルフが消える日 至高のスポーツは「贅沢」「接待」から脱却できるか』(中央公論新社)。

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