「モレスキン」がEvernoteと仲良くなったら? スマホと連携できる手帳の意外な実力

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書いたノートをスキャンするのは、若干面倒に思うかもしれない。しかし、これによって得られるメリットはたくさんある。

Evernoteは、パソコン、スマートフォン、タブレット、そしてウェブブラウザ上から利用することができる。さまざまな場所で作成したり編集したノートは、すべてクラウドに保存され、どこからでも参照できるのだ。

つまり、モレスキンに書いたイラストをスマートフォンのカメラで撮影するだけで、ノートのページをどこからでも見られるクラウドのメリットが得られるようになる。加えて、文字認識機能によって、手書きの文字も認識可能になり、検索の対象となる点も大きい。

より手軽に、Evernoteの機能を活用できるメリット

それだけではない。Evernote版のモレスキンならではの、さらなる「機能」も利用できるようになる。

モレスキンのEvernoteコレクションの背表紙のポケットには、ステッカーが付属する。チェックや×印、飛行機や家、会社のビルなどのアイコンは、鮮やかな色が特徴的だ。

これをノートに貼り付けておくと、スキャンした際、自動的にタグがつけられる仕組みを提供している。このタグはアプリから設定することができ、タグごとの分類から簡単にそのページを見つけ出すことができるようになる。

例えば重要なメモや、会心のアイディア、あとでアクションが必要なスケッチにステッカーを貼り付ける、という使い方で、普通のページとは分けて管理することができるようになるのだ。

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また、ウィークリーダイアリーでは、日付の欄にチェックを入れておくことによって、Evernote上のリマインダーがセットされ、チェックされた日になるとEvrenoteのアプリに通知がやってくる仕組みだ。

モレスキン上でのメモは、これまでの紙のノートや手帳と同じように扱うことができる。しかしひとたびカメラでEvernoteに取り込めば、今度はデジタルの世界の便利さへと、ノートをつなぐことができる。

筆者は「文房具的なデジタル」という視点について興味があり、たとえば筆記用具や紙をまとめておくための道具が、デジタルに置き換えられたときにどんなものになるのか、何が必要か、ということを考えることが多々ある。

モレスキンのEvernoteコレクションは、文房具がデジタルのメリットをまとった製品であり、非常に自然でストレスのない「デジタルとアナログ」の行き来を現実のものとしてくれるのだ。

松村 太郎 ジャーナリスト

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まつむら たろう / Taro Matsumura

1980年生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。著書に『LinkedInスタートブック』(日経BP)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、監訳に『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP)など。

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