【産業天気図・半導体】一部のメーカーは赤字。再び業界再編の機運

『晴れ時々曇り』で推移してきた半導体業界は今後、『雨』模様となりそうだ。
 業界は2004年前半、空前の好景気に沸いた。WSTS(世界半導体出荷統計)によると、04年の半導体市場の伸び率は前年比28%増。この伸び率は携帯電話端末の急成長によるバブルに沸いた2000年の37%成長以来の高水準だった。ところが、7月以降、携帯電話端末やデジタルカメラなどを製造するセットメーカーの市中在庫増加、生産調整により、半導体需要の伸びが一気に鈍化。業界は早くも調整局面を迎えた。
 設備投資動向を見ると、大口径の300ミリウエハを用いた最新工場の建設ラッシュが続く一方、従来の200ミリ工場における設備投資には急ブレーキが踏まれている。大手製造装置メーカーを見ると、東京エレクトロン、アドバンテスト、東京精密などは上半期と比べ下半期の売り上げは大幅に減少する。
 ルネサステクノロジ、東芝、NECエレクトロニクスなどの大手半導体メーカーも、上半期と比べ、下半期の損益は急悪化。東芝では上半期の半導体事業のセグメント営業利益が645億円に上ったが、下半期には355億円へほぼ半減する見通しだ。
 来年の展望はどうか。WSTSによると、05年の市場成長見通しは前年比1%成長と完全にブレーキがかかる。IDCのように前年比マイナス2%という厳しい予測をする調査会社もあり、かなり厳しい調整局面になりそう。その中にあって、生産性の高い最新鋭工場の建設が遅れている一部の半導体メーカーは、赤字に転落するおそれがある。再び、業界再編の機運が盛り上がることになるだろう。
【山田俊浩記者】


(株)東洋経済新報社 電子メディア編集部

関連記事
Topic Board トピックボード
人気連載
Trend Library トレンドライブラリー
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

Access Ranking
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • いいね!

※過去48時間以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※週間いいね数のランキングです。

トレンドウォッチ
あのころ銀行は<br>無茶苦茶だった

『住友銀行秘史』の著者で元・住銀取締役の國重惇史、元イトマン顧問弁護士の河合弘之、元長銀取締役の箭内昇。平成の金融バブルの最中に起きたイトマン事件の真相と教訓を語る。