人事評価にTOEIC、本当に意味がある? 会社に語学力が必要なら、「放り込む」が得策

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語学力アップのための人事評価。何が最適でしょう(TOSHI / Imasia)

学生時代だけでなく、大人になっても勉強は続く。ただ、家庭や仕事を抱え多忙な社会人にとって、資格や英語などの試験勉強は大きな壁となる。この連載では開成→東大→司法試験一発合格という「試験突破のプロ」鬼頭政人・資格スクエア代表が、悩めるビジネスパーソンからの勉強相談に鋭く切り込みアドバイスする。著者への勉強相談はこちらのフォームから!

鬼頭さんの著書『頭のよさとは「ヤマを張る技術」のことである』(KADOKAWA/中経出版)も発売中
【勉強相談Vol.9】 語学力アップのための人事制度を模索しているのですが……
人事担当として、社員の英語力を引き上げる施策を検討しています。資格試験の目標スコア等を人事制度に反映させるのも一案としてありますが、実力測定であるはずのテストが、いつの間にか「学習の目的」になってしまうことに疑問と懸念を抱いています。
社員がテストの傾向と対策に終始して、「スコアは高いけれど実際使えない」という結果を生むケースが少なくないため、人事制度への反映の仕方をめぐっては社内でも慎重な意見があります。
資格そのものがゴールなのか、相応の実力やスキルを持つことが目的になるのか、狙う資格によって異なるのかもしれませんが、「語学力」というものにおいても「まずは試験のヤマを張って」資格取得・試験突破をゴールとすべきなのでしょうか。
また、本当の意味での社員の語学能力アップを図るためには、人事としてどのような施策を打つのが望ましいとお考えですか?
(50代、会社員、男性)

 

すべての資格は手段に過ぎない

こんにちは。毎日のように資格のCMが流れる季節になりましたね。「今年こそ資格!!」とよくわからない決意を胸に秘めている人も多いことでしょう。来年の今頃、同じことを言っていないように注意してくださいね(笑)。

さて、ご質問者様は勘違いをされていないでしょうか。私はいかなる資格についても「資格取得・試験突破がゴール」だとは思っていません。すべからくどんな資格も「目的」ではなく「手段」に過ぎないのです。

医者や弁護士のような、資格がないとその職業に就けない資格でさえ、その資格を取ることはあくまで通過点であり、「目的」にはなり得ません。「目的」は一人前の医者や弁護士になり、社会に貢献することにほかなりません。

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