医師が警鐘!「フォアグラ肝臓」生み出す3NG習慣 「脂肪肝」の真犯人は、脂肪ではなく「糖質」だ

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糖質は大事なエネルギー源と思っておられる方が多いでしょう。間違ってはいませんが、重要なのはその先。体内に糖質が増えすぎると、肝臓は糖を「中性脂肪」という形に変えてため込むのです。1つひとつの細胞に脂肪滴としてため込み、肝臓を太らせていきます。

この仕組みは人間が生き延びるために遺伝的に組み込まれた、いわば生存システムと考えられます。食べるものがなくなって飢餓状態に陥ってもすぐに死なないように、今は使わない分の糖質を脂肪に変えて肝臓に貯蔵しているわけです。

しかし、現実はどうでしょう? 手軽にとれる加糖飲料や超加工品が増え続けて、到底、飢餓に苦しむ状態ではありません。むしろ、エネルギーを摂りすぎるあまり、肝臓に脂肪が着々と蓄えられて脂肪肝が増えています。

糖質の摂りすぎが脂肪として蓄積されて肥満になる事実を、教育すべき時代ではないでしょうか。

内臓脂肪・皮下脂肪より先に落ちる肝臓脂肪

脂肪肝の改善とは、「肝臓から脂肪を落とす」ことにほかなりません。それには減量が必須ですが、脂肪は種類によって、落ち方に時間差があります。

脂肪の種類は3つ。肝臓につく肝臓脂肪のほかに、皮下脂肪と内臓脂肪があります。皮下脂肪は皮下組織につく脂肪で、太ももやお尻まわり、下腹部などについている、触ってわかる部分。一方、内臓脂肪は胃や腸などを覆う膜にたまっている脂肪で、メタボリックシンドロームの診断基準のひとつ。

減量すると、①肝臓脂肪→②内臓脂肪→③皮下脂肪の順に脂肪は落ちていきます。肝臓脂肪は、内臓脂肪や皮下脂肪より先に落ちるのです。脂肪肝の改善には、肝臓脂肪が落ちることですから、肝臓脂肪がほかの脂肪よりも落ちやすいことを知っていれば、減量のモチベーションも維持しやすくなります。

脂肪肝で肥満のある人の場合は、3カ月で体重の7%を目標に減量し、それを半年キープ。それから標準体重を目指していくことを勧めています。とくに最初の1カ月は体重の3%以内にとどめます。急激に体重を落とすと負担が大きく、リバウンドもしやすくなるからです。1カ月でマイナス2㎏の減量に成功すれば、3カ月で5㎏減を達成できるという実績データもあります。

肝臓の脂肪を落とすために最初に取り組むのは、“飲み物から摂る糖を断つ”ことです。これは、食べ物よりも飲み物からの糖の摂取が、圧倒的に肝臓への影響が大きいから。また、人の体は55〜60%が水分からできているので、飲み物を変えるだけで体は変わります。

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