達人が教える!今こそ買いの「老舗企業株・10選」 松井建設、養命酒製造、カルラ……

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「お茶づけ海苔」から始まった商品群は、味噌汁系や、麻婆春雨や広東風かに玉などの中華料理系に広がり、お茶づけ海苔とはまったくジャンルの異なるシュークリーム専門店のビアードパパも、じつは永谷園グループ。お茶づくりから始まってシュークリームを手がけるようになるという変化も、長い歴史があるからこそ。時代の流れのなかでさまざまな挑戦をしてきた足跡をもっていることも、老舗企業の魅力です。

江戸初期に打ち刃物問屋として創業

浅香工業(5962)は、スコップやショベルを扱っている会社で、ショベルではシェア5割をもっています。シェア5割はニッチトップ企業の要素ですが、それが実現したのも、長くショベルを扱ってきたからです。

同社は江戸時代に、大阪の堺名産の包丁やハサミなどを扱う打ち刃物問屋としてスタート。ショベルなどをつくるようになったのは明治時代から。6代目の浅香久平が、土木と鉱山事業が盛んになると見越して、国産初のショベルとスコップをつくったのです。

江戸時代の堺は貿易の最先端の街でした。自転車のギアや釣具のリールなどで有名なシマノ(7309)も堺生まれの会社。シマノは、自転車の変速機とブレーキ部品などで世界首位の優良株です。

バリカンの発明から始まった歴史

ロブテックス(5969)は、レンチなどの工具を製造販売する会社で、ロブスター印がトレードマーク。

同社が創業当初に手がけていたのはバリカンでした。当時、明治政府は「断髪令」を出して、ちょんまげを禁止したため、男性は定期的に散髪しなくてはいけなくなりました。

そこで、創業者の伊藤兼吉が、フランス製の馬の毛を刈る機械をヒントに、人の髪を刈るバリカンを発明。これが大ヒットして、ロブテックスの歴史がスタートしました。

次ページその後、もう1つの柱として製造を始めたのが…
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