達人が教える!「安定収益が狙える株」の探し方 順調な値上がりこそが、確実な投資利益を生む

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日機装(6376)も注目したいところ。化学用精密ポンプをつくっている会社で、この分野では首位。人工腎臓も手がけ、これもトップシェアです。この点では、ニッチ分野のトップ企業として魅力があるのですが、私が注目するのは、深紫外線LEDの技術を活用した空間除菌。深紫外線LEDと光触媒フィルターで細菌やウイルスを除菌する装置です。

2022年新春号の四季報のコメント欄には、「除菌装置販売伸び悩み想定以下」とありますが、一方で「空間除菌装置は今期欧米へ展開図る」ともあり、ウィズコロナの時代に成長するかもしれません。コロナ禍の収束で株価が上がりそうな業種としては、旅行・宿泊系やイベント系などもすぐに思い浮かびます。ここも少し深読みすることが大事です。

業績回復の期待と出遅れ株

宿泊系では、ホテルや旅館向けに食品などを卸している会社も業績回復する可能性があります。ジーエフシー(7559)がその1つ。宿泊施設向けの食材卸で、業務用高級食材で首位の会社です。

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小売では百貨店の業績回復が期待できますが、バッグ販売のサックスバーホールディングス(9990)なども顧客が戻ることによって業績が一気に回復する可能性があります。

コロナ禍のタイミングで上場した企業も見直してみるとよいかもしれません。実力や特徴があるものの、市場環境が悪かったために株価が伸び悩んだ銘柄があるはずです。

たとえば、テクノフレックス(3449)。コロナ禍が深刻化する直前の2019年12月に上場した会社で、ビルの配管用フレキシブル継ぎ手を扱っていて、この分野で首位。

こういうニッチな分野で首位の会社は注目されやすいため、コロナの影響で株価が安くなっているとしたら買いどきかもしれません。ここではコロナを例にしましたが、出遅れる株があるという話はどのテーマでも共通しています。キーワードを参考にして変化をつかみ、少しテーマを深掘りする視点で、出遅れ株を探してみましょう。

渡部 清二 複眼経済塾 塾長
わたなべ・せいじ / Seiji Watanabe

「会社四季報オンライン」でコラム「四季報読破邁進中」を連載。1967年生まれ。1990年筑波大学第三学群基礎工学類変換工学卒業後、野村證券入社。個人投資家向け資産コンサルティングに10年、機関投資家向け日本株セールスに12年携わる。野村證券在籍時より、『会社四季報』を1ページ目から最後のページまで読む「四季報読破」を開始。2014年の独立後も25年以上継続中で、2022年10月1日には四季報100冊読破。2014年四季リサーチ株式会社設立、2016年複眼経済塾設立。公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員、日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定AFP、国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト

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