ヤマトHLDの木川新社長(内定)が中・長期計画を発表。「『域内当日配達』が当たり前の世界にしたい」

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 新中計や新長計の数値計画は以下のとおり。宅配便取扱数量のうち、13年度(14年3月期)の内訳は、国内が15.6億個、海外が1.2億個。19年度のベンチマーク20億個のうち、25%に当たる5億個は海外で、とのイメージだから、計算上、国内は15億個台で13年度比ほぼ横ばいとなる。が、一方で「『宅急便』は徹底的に伸ばす」と語っている。このことから、決して「横ばい」を目指しているわけではなく、国内15億個台はあくまでも最低限確保すべき目標、と読み替えたほうがよさそうだ。

         10年度     13年度 19年度
 営業収益  1兆2280億円 1兆4400億円   −−
 営業利益     640億円    880億円   −−
 営業利益率     5.2%     6.1%   −−
 ROE       6.5%     8.5% 11%超
 宅配便取扱数量 13.4億個   16.8億個 20億個
 国内宅配便シェア    −−     45%超 50%超
 (注)国内宅配便シェアの09年度実績は40.6%で国内首位  
 
 10年度から13年度までの3期の増益幅は240億円で、1期80億円の増益が必要になる。今期の増益幅が40億円弱にとどまりそうなことや、この間がアジアで日本同様の本格的な宅配便事業を次々と開始する種まき期であること、国内の宅配便は引き続き単価下落傾向が続きそうなことを考えると、決して低い目標とは言えない。

今11年3月期が最終年度の前3カ年計画は、未達成に終わっている。リーマンショックという想定外の経済危機によって宅配便全体が初の前年割れに見舞われた、という不運があったとはいえ、目標数値が高すぎたきらいがある面は否めない。

非プロパー出身の木川氏にバトンタッチする意味合いもそのあたりにありそうだ。つまり、決して低くはない中計目標を達成するためには、心機一転が必要、ということだろう。

(山田 雄一郎 =東洋経済オンライン)


《東洋経済・最新業績予想》
(百万円)    売 上  営業利益 経常利益  当期利益
連本2010.03  1,200,834 61,388 63,313 32,282
連本2011.03予 1,232,000 65,000 67,000 33,000
連本2012.03予 1,262,000 67,000 69,000 35,000
連中2010.09  597,857 20,222 21,377 10,499
連中2011.09予 616,000 22,700 23,700 13,000
-----------------------------------------------------------
         1株益¥ 1株配¥
連本2010.03  71.8 22 
連本2011.03予 72.7 22 
連本2012.03予 77.1 22 
連中2010.09  23.1 11 
連中2011.09予 28.6 11 
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