富士通、社長交代で目指すものとは? 山本会長、田中社長で「役割分担」へ 

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 1月19日、富士通は、田中達也常務が同日付で副社長に就任し、6月22日付で代表取締役社長に昇格する人事を発表した。2012年6月撮影(2014年 ロイター/Yuriko Nakao)

[東京 19日 ロイター] - 富士通<6702.T>は19日、 田中達也常務(58)が代表取締役社長に昇格し、山本正已社長(61)が代表権のある会長に就任すると発表した。6月22日の株主総会・取締役会を経て正式に決定の予定。

田中氏は19日付で、副社長に昇格し、次期社長候補として業務を引き継いでいく。

昨年6月に間塚道義氏(71)が取締役相談役に退いて以来、会長職が空席だった。山本社長は記者会見で「役割分担が重要」と述べ、今年6月から、山本氏が会長として対外業務にあたり、田中氏が社長として業務執行責任を負うと説明した。実質的には、4月の新年度から新しい執行体制を敷く。

山本社長は2010年6月に就任し、5年で交代となる。就任以来、半導体事業の構造改革を推進したほか、昨年4月には、日本、米国、アジア、オセアニア、EMEIA(欧州・中東・インド・アフリカ)の5地域によるグローバル体制を構築した。

山本社長は「構造改革やグローバル体制の移行などの課題に一定の道筋がついた」と述べ、会長に就任する決心をしたと説明した。今後「対外的な活動は会長、業務の責任は社長、という体制を『あうん』の呼吸でやっていく」と話した。

田中副社長は、1980年4月に富士通に入社後、2003年4月まで国内営業畑で大手鉄鋼など重要顧客を担当し、企業ITサービスに従事した。03年4月から09年12月まで中国・上海に駐在、14年4月からシンガポールに駐在して、グローバル5地域体制の一角であるアジアリージョン長を務めるなど、国際経験もある。

田中氏は、次期社長として、国内営業の経験と中国・アジアでの海外勤務の経験を経営に生かしていくとの意向を示した。さらに「富士通の強みはまだまだ国内にあるので、もっとグローバル化を追求しなければならない」と指摘した。

 

 

 

(村井令二 編集:内田慎一)

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