ツイッター「買収提案」でどうなってしまうのか 大株主のイーロン・マスク氏考えを変えた

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14日、マスク氏はカナダのバンクーバーで開かれたTEDカンファレンスでインタビューに応じ、「ツイッターは事実上の町の広場のようなものになっているのだから、法律の枠内で自由に発言できるという現実と認識を人々が持つことが本当に重要だ」と述べた。

だが、マスク氏の買収提案と上場企業であるツイッターを非公開企業にする計画がうまくいくかどうかは不明で、マスク氏は支払いをどのように行うかについての詳細もほとんど説明しなかった。

「提案額が低すぎる」という反発の声

一部の投資家やウォールストリートのアナリストは、1株当たり54.20ドルというマスク氏の提示額は低すぎ、株主にアピールするためには最低でも1株60ドルにする必要がある、と述べている。これは、マスク氏が今月ツイッター株を取得したことを発表した際の株価より25%高い価格になる。

一部の株主はマスク氏の申し出を却下した。自らと自らが代表を務めるコングロマリットがツイッターの最大かつ最も長期的な株主の1人であるとするサウジアラビアのワリード・ビンタラール王子は、「成長見込みを考慮したツイッターの本来の価値」を反映した十分な価格ではないため、ツイッターはこの申し出を拒否すべきだ、とツイート。提示額は十分だが、マスク氏が提案する変更によって広告主が流出し、企業価値が損なわれる可能性があると述べる人たちもいる。

14日の取引終了時点でツイッターの株価は1.7%下落し、終値は45.08ドルだった。この価格はマスク氏の提示額よりかなり低い。

すでに電気自動車メーカーのテスラやロケット会社のスペースXのCEOを務めるマスク氏は、自分の買収提案が失敗する可能性もあると率直に語った。「確かにこれは多少苦しいと思うし、実際、獲得できるかどうかわからない」。一方、取締役会に株主投票を迫り、そうしなければ 「まったく弁解の余地がない」ともツイートした。

ツイッターの広報担当者は、取締役会が 「会社とツイッターの全株主にとって最善と思われる行動を決定するために、この提案を慎重に検討する」と述べている。

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