古河電工はリチウムイオン電池用電解銅箔の生産能力を13年にほぼ3倍へ

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古河電工はリチウムイオン電池用電解銅箔の生産能力を13年にほぼ3倍へ

リチウムイオン電池用電解銅箔で世界トップの古河電工は、1日に記者会見を開き、現行で月産550トンの同銅箔を2013年7月に約3倍となる月産1500トンに引き上げると発表した。

現在はすべてを栃木県の今市工場で生産しており、用途別では携帯電話やノートパソコン(PC)などの民生用電池向けが7割強を占める。電気自動車など車載用は3割弱に過ぎないが、今後急拡大が見込まれるため、すでに回路用銅箔の生産拠点のある台湾に69億円を投じ、月産500トンの生産能力を持つ工場を新設し、12年9月に稼働させる。

一方で、今市工場の汎用銅箔設備を1億円かけて改造し、月産450トンを上乗せする。「増産分の8割を車載用とする」(川田健二・銅箔事業部長)ことで、車載用のシェアは6割と倍増になる。

現状、車載用の世界シェアは80~90%。増産後のシェアは80%を見込んでおり、場合によってはシェアダウンとなる。が、「自動車メーカーが1社購買を避けることを考えると、今後電気自動車需要が爆発的に増加する中で80%のシェアを目指すのはかなりアグレッシブな計画」と柴田光義取締役は説明する。実際、台湾の月産500トンも第1期に過ぎず、「15年以降に第2期工事に着手し、さらに第3期も計画に入っている」(川田部長)としている。


《東洋経済・最新業績予想》
 (百万円)    売 上  営業利益   経常利益  当期利益
連本2010.03      809,693     20,321     19,347      9,704
連本2011.03予     925,000     38,000     34,000     13,500
連本2012.03予     940,000     41,500     37,500     15,500
連中2010.09      456,895     17,718     16,125      6,995
連中2011.09予     460,000     19,000     17,500      7,500
-----------------------------------------------------------
          1株益\    1株配\
連本2010.03         13.8          5 
連本2011.03予        19.1      5.5-6 
連本2012.03予        22.0        6-7 
連中2010.09          9.9        2.5 
連中2011.09予        10.6      2.5-3 
筒井 幹雄 東洋経済 記者

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つつい みきお / Mikio Tsutsui

『会社四季報』編集長などを経て、現職は編集委員。

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