新境地に立つ旭ダイヤモンド工業、金脈は太陽電池市場

新境地に立つ旭ダイヤモンド工業、金脈は太陽電池市場

「来期も増収方向ですか」2010年11月、都内のホテルで開かれた中間決算説明会。アナリストの質問に、川嶋一夫・旭ダイヤモンド工業社長は堅くうなずいた。

まさに飛ぶ鳥を落とす勢い--。ダイヤモンド工具大手・旭ダイヤモンド工業(以下、旭ダイヤ)の業績が急改善している。11年3月期は売上高420億円(前期比約1・5倍)、営業利益103億円(同約6・4倍)となる見込み。リーマンショック後の景気悪化に苦しんだ09年度から一転、20年ぶりの過去最高益更新が確実視されている。

業績向上に伴い株価も上昇。10年の1年間で株価は約2・3倍に。同業他社であるノリタケカンパニーリミテドは17・8%の上昇、傘下にアライドマテリアルを抱える住友電気工業は1・9%の下落。日経平均株価も3・0%下落した中で、旭ダイヤの好調ぶりが際立っている。

コスト低減のニーズにしっかり応える新製品

市場関係者は口々に語る。

「新製品効果が業績に表れ始めた」(秋野充成・いちよし投資顧問チーフファンドマネージャー)

「市場は夢を語るだけでなく、その夢をつかんだところを評価している。何十年かぶりでテーマ株になった」(窪田真之・大和住銀投信投資顧問シニア・ファンド・マネージャー)

旭ダイヤがつかんだ“夢”--。それは新製品・エコメップで実現した製造技術のことだ。エコメップとは、ピアノ線にダイヤモンドの粒を“電着”と呼ばれるメッキ方法で付着させたワイヤ状の工具。

シリコンやサファイヤの塊を切断し、ウエハに加工する工程で使われる。潤滑油と研磨剤を流しながら鋼鉄線で切断する従来の方法に比べ、加工時間が約3分の1に短縮されるほか、産業廃棄物も大幅に削減できるという。


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