年金は税か社会保険か 民主・自民の意外な相似

年金は税か社会保険か民主・自民の意外な相似

1月中旬に菅第2次改造内閣が発足するや、与謝野馨経済財政相が「年金制度改革は社会保険方式が具体的で実現可能性もある」と述べ、火がついた年金論争。民主党の看板公約である年金改革は、全額を税財源とする、最低保障年金の創設が目玉の一つのはずだった。そのため閣内には緊張が走った。だが菅直人首相や枝野幸男官房長官らが「民主党案と現行の社会保険方式に本質的な違いはない。十分に調整は可能」と意思表明。年金改革は急転回する様相を呈してきた。

政府は4月までに社会保障改革案を示し、6月には税と社会保障の一体改革案を発表する計画である。消費税率アップを盛り込むというならば、民主党が従来あやふやにしてきた、最低保障年金の中身と必要財源を明確にしなければならない。

実のところ菅首相らの発言は、野党の自民党や公明党にすり寄るための出任せではない。民主党の最低保障年金制度は、多くのメディアが報じる「税方式」でなく、実態は自公が提唱する「社会保険方式」に近いのだ。これが判明したのは2005年春に超党派で開かれた、「年金制度をはじめとする社会保障制度改革に関する両院合同会議」である。

民主党はその前年に年金改革推進法案を衆議院に提出。両院合同会議では、そこで示された、現在と同じ民主党の年金制度改革案について議論を戦わせた。民主党案は、国民全員が加入する社会保険方式による所得比例年金と、その所得比例年金の額が一定水準以下の者に補足的に給付する最低保障年金(月額7万円)の、2段階で構成される。

この会議で自公両党が質問を集中させたのは、「所得比例年金を払わなければ、最低保障年金はもらえないのか。それとも払わなくても、最低保障年金はもらえるのか」、という点だった。「意図的に保険料を払わなかった者すら最低保障年金が満額支給されると、公平性の観点から重大な問題が生じる。反対に未納者には支給しないとなると、今度は民主党が唱える『無年金・低年金の解消』にはつながらない」(山口那津男議員=現公明党代表)からだ。

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