マクドナルドが高級路線?それは的外れだ 「グルメバーガーブーム」を追ってはいけない

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シェイク・シャックに投資する人々は、フェアウェイのIPOを再現して、しかもいい結果を出したいと願っている。というのも、ウォール街はこのところハンバーガーに夢中なのだ。昨年11月、ハンバーガーチェーンのハビットを運営するハビット・レストランツは9000万ドルも調達できた。現在約100店舗を展開中で、株価はIPO時の18ドルから今や30ドルへと上昇している。

その一方で警戒情報もある。シェイク・シャックはニューヨーク市内の各店舗では売上高が年平均740万ドルを記録しているが、その他の店舗では380万ドルに過ぎない。しかもIn-N-Outバーガーやファイブ・ガイズといったライバルはもちろん、ハビットのようなバーガーチェーンとも競わなければならない。

高級バーガー路線は的外れ

競争激しいなか、米国内では牛肉の消費が減りつつある。シェイク・シャック自身、国内市場の規模はせいぜい450店舗と推定している。つまりマクドナルドの既存店舗数の約1.3%だ。

だからと言ってシェイク・シャックは商売として成り立たないとか、大金を注ぎ込む価値がないというわけではない。高値を付けるためにはたくさん課題があるというだけのことだ。成功する可能性はある。だが近頃のバーガー人気がバーガー・バブルと化した場合には、フェアウェイと同じことになる可能性もある。だからウォール街はもっと慎重になるべきだろう。

マクドナルドに対しては、シェイク・シャックにあやかれなどと思えば思うほど的外れになる。ウォール街はマクドナルドを変身させようなどと考えないで、むしろ「高級バーガー」フェチを反省したほうがいいかもしれない。

        (執筆:Steven Davidoff Solomon 記者、翻訳:石川眞弓)

            (c) 2015 New York Times News Service

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