65歳以降のお金が超心配な人に知ってほしい心得 足りない金額は月いくら? どうやって稼ぐ?

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そして、起業をすることで、定年もなくなるので、老後マネープランにおいて必要な「長く働いて年金以外のフロー収入を得る」という柱になります。自宅をオフィスにすることで、水道・光熱費の一部は経費として計上できます。また、ビジネス上のお付き合いも交際費として経費に計上できるようになります。結果、節税につなげることもできるのです。

どんな仕事でひとり起業をするかですが、体力面を考えると、人にものを教える、伝える仕事、最近ですと「コンサルタント」や「セミナー講師」のような仕事で収入を得るのが、長く続けていく上で、望ましいのではないかと私は考えています。

何かを教えるときに重要なのが、経験値。会社員として長く働いてきた定年世代は経験豊富ですから、それを生かしていける点で有利でしょう。

持続可能な働き方で老後の3大不安を解消する

マネープランと働き方について話してきましたが、お金だけでなくなぜ働き方にまで触れるかといますと、老後の不安は3つあると言われるからです。

3つの不安とは「お金」「孤独」「健康」です。

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お金についてはこれまで説明してきました。孤独の不安とは、退職により、会社員時代の人間関係がなくなり、社会とのつながりが絶たれてしまうことです。そして、人との会話や刺激がなくなることにより認知症などの健康への不安が高まってくるのです。

これらの不安を解消するのが、定年ひとり起業なのです。定年のない働き方を継続することで、毎日規則正しい生活を送り、仕事に関わる新たな人間関係ができてきます。さらに、たとえ少額でも稼ぎ続けることで「プロとしての緊張感」を保ち、気持ちの面でも張りが出る、やりがいを感じるなど、健康にプラスに働きます。

月5万円を無理なく、自分の得意なこと・楽しいことで稼ぎ続ければ、社会とのつながりも維持でき、日々活動するため健康も維持しながら生活するようになるでしょう。

大杉 潤 研修講師、経営コンサルタント、ビジネス書作家

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おおすぎ じゅん / Jun Osugi

1958年東京都生まれ。フリーの研修講師、経営コンサルタント、ビジネス書作家。早稲田大学政治経済学部を卒業、日本興業銀行に22年間勤務したのち東京都に転職して新銀行東京の創業メンバーに。人材関連会社、グローバル製造業の人事、経営企画の責任者を経て、2015年に独立起業。年間300冊以上のビジネス書を新入社員時代から39年間読み続け累計1万冊以上を読破して、約2,500冊の書評をブログに書いて公開している。著書に『入社3年目までの仕事の悩みに、ビジネス書10000冊から答えを見つけました』(キノブックス)、『定年後不安 人生100年時代の生き方』(角川新書)など。

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