売れすぎiPhone6、なぜこんなに好調なのか? シェア急上昇をもたらした3つの理由

拡大
縮小
日本は例外だが、iPhone6は欧米、中国など世界の主要市場で劇的にシェアを引き上げている(撮影:尾形文繁)

アップルが昨年9月に発売した「iPhone 6」と「iPhone 6 Plus」が驚異的ともいる好調さを見せている。

イギリスの調査会社Kantar Worldpanelが1月7日に発表した最新のスマートフォン市場調査によると、2014年9~11月期において、iPhoneは米国、欧州、そして中国でシェアを伸ばしたという。前年同期と比較すると、米国で4.3%、ドイツで4.1%、英国では実に12.2%もシェアを積み増した。これらの国々では、グーグルのAndroidやその他のプラットホームはシェアを大きく落としており、特に米国ではAndroidスマートフォンとiPhoneのシェアがほぼ拮抗した。

中国でもiPhoneは1.1%のシェア拡大。ただしAndroidも1.8%の伸びを見せた。その他、イタリア、オーストラリア、フランス、スペインなどの国々でも、iPhoneは好調だ。

一方、同社のデータで急減速を見せた唯一の国が日本。とはいえ、iPhoneは販売シェア53.8%を獲得しており、5割を超えている国は日本のみだ。前年の9~11月には、NTTドコモからのiPhone発売というビッグイベントがあったため、iPhoneは69.1%ものシェアを記録しており、15.3%ものシェア「急減速」になった。

好調を支える3つの理由

iPhoneが好調な理由はなんだろうか。スペック面で比較すると、64ビットプロセッサは確かにまだ優位性として残っているが、メモリが1ギガバイトのままにされた点は、開発者やユーザーにとって不満材料といえる。ストレージ容量は、16ギガバイトでは少なすぎるとして米国で集団訴訟に発展しており、一般的な人でも足りないレベルだ。

また拡大されたディスプレイサイズや解像度もAndroidの世界では決して特別なものではない。金属ボディのデバイスも増えているし、薄さも最も薄いという地位はそう長くは続かなかった。

次ページなぜiPhoneが支持されるのか
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT