「小沢問題」抱えたまま通常国会入り

「小沢問題」抱えたまま通常国会入り

塩田潮

 今日(1月24日)、通常国会が召集された。開会前に決着か、といわれた小沢元民主党代表の国会での説明問題も小沢氏に対する強制起訴も、結局、何も決まらず、民主党は小沢問題という火種を抱えたまま国会に臨むことになった。

 小沢氏は民主党執行部が求める衆議院政治倫理審査会への出席を最終的に拒否したが、昨年暮れ以来、予算審議の促進など「政治的効果」や「政治的役割」があるなら政治家として応じるという言い方で先送りを図ってきた。国会での発言が強制起訴後の裁判で不利になる場合のリスクを避けたいというのが本心だろう。

 だが、今後は法的な拘束力や強制力が伴う証人喚問がテーマとなる。

 一方、強制起訴で、民主党離党や議員辞職の議論が浮上する。離党論や辞職論は国会での説明問題とも関係している。出席を求める党の決定に従わないことを理由に、執行部側が党規違反で離党勧告などの処分を下す可能性があるからだ。

 いずれの場合も権力闘争の側面がある。菅首相の側が仕掛ける二重三重に包囲網を、小沢氏は突破できるかどうか。

 苦境の中で、小沢氏は政治リーダーとしての生き残りを第一に考えているに違いない。それには無罪獲得と国民の支持という二つの資格が不可欠だが、裁判とは別に野党の追及を受ける形で国会で説明するのが最適の道である。

 国会での説明は予算審議の促進などの「政治的効果」や「政治的役割」という話ではない。政治家としての資格、条件に関わる重要な問題だ。進んで国会で説明し、それによって国民が納得すれば、無罪獲得と同時に表舞台復帰が可能になる。

 だが、一方で小沢氏は、政治リーダーとして「賞味期限切れ」という見えない敵との闘いを強いられている。理由を付けて先延ばしを図り続けると、無罪獲得と「遅すぎる説明」でやっと資格回復を果たしても、そのときは「過去の人」になっているかもしれない。

 時間との闘いを背負っていることも忘れてはならない。
(写真:尾形文繁)
塩田潮(しおた・うしお)
ノンフィクション作家・評論家。
1946(昭和21)年、高知県生まれ。慶応義塾大学法学部政治学科を卒業。
処女作『霞が関が震えた日』で第5回講談社ノンフィクション賞を受賞。著書は他に『大いなる影法師-代議士秘書の野望と挫折』『「昭和の教祖」安岡正篤の真実』『日本国憲法をつくった男-宰相幣原喜重郎』『「昭和の怪物」岸信介の真実』『金融崩壊-昭和経済恐慌からのメッセージ』『郵政最終戦争』『田中角栄失脚』『出処進退の研究-政治家の本質は退き際に表れる』『安倍晋三の力量』『昭和30年代-「奇跡」と呼ばれた時代の開拓者たち』『危機の政権』など多数
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