ロシアリスクがわかる「3600の法則」とは? 2015年のリスクは欧州・ロシア・中国

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日本もまた、中国が最大の貿易相手国となって久しい。ただし日本の対中輸出は、半導体等電子部品や有機化合物、科学光学機器といった高度な加工品が主力である。これらは中国国内で製品化され、さらに米国市場などに輸出されている。ゆえに対中輸出が大きく減ることは考えにくい。

むしろ昨今は、「中国人の日本製品への旺盛な消費欲」を目にする機会が増えている。今や都会の平日のデパートは、どこも中国人観光客でいっぱいではないか。

政治基盤が磐石なトップが多いアジアは荒れない?

先日も某中国人研究者が、筆者のところへ帰国あいさつに訪れていわく。「今の為替レートで日本製品が買えるのは、まるで夢のようです。なにしろi-Phoneも日本で買う方が安いですからね。帰国を前に、知人友人たちから『あれを買え、これを買ってこい』という要請がひっきりなしで、買い物がとっても忙しい。新宿伊勢丹本店6階の外国顧客向けカウンターは、とっても親切ですよ。あっ、馬油ってご存知ですか。自分用も含めて買いました。北海道ファンの友人からは、「白い恋人たち」を買って来いと言われてます。いやもうスーツケース3つが満杯です、などと楽しげに教えてくれた。

思わず話が脱線してしまったが、2015年のアジアは意外と恵まれているのかもしれない。「今年のトップ・リスク」は、いつも最後に「リスクもどき」と称して「それほど心配しなくていいリスク」を挙げている。

今年はその筆頭が「アジアのナショナリズム」だ。2015年は戦後70年だから日中韓の衝突が心配、とはよく言われるところだが、「中国の習近平国家主席、インドのモディ首相、日本の安倍首相、インドネシアのジョコウィ大統領」の4者が揃って政治基盤が強力だから大丈夫、とのことである。本当かなあ?

思うに2015年の経済は政治次第、そして2015年の政治もまた経済次第である。地雷源のような世界の中で、日本やアジアは比較的恵まれたポジションにある、ということをとりあえずの結論としておこう。

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