セミナーレポート

ワークプレイス・イノベーション・フォーラム2014 アイデアとコミュニケーションが生まれる未来志向のオフィス戦略とは

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主催者講演
「東京を世界でいちばんの街にしよう。
~Mirai Tokyo! 虎ノ門~」

北川 清氏
森ビル
取締役
常務執行役員

「虎ノ門ヒルズの下には環状2号線が走っており、幹線道路と一体的に造られたのがこの再開発の特徴」ということから森ビルの北川清氏は話を始めた。東京は平面的には過密だが、上空や地下は使われていない。だから一棟の高層ビルにオフィスや住宅などの機能をまとめ、空いた空間に緑を配し、文化・芸術の施設などを設けて、そこに住まう人や働く人のコミュニティとして使う。そうすれば東京は新たなアジアの中心都市となっていく。そういうコンセプトで街づくりに取り組んでいると、森ビルの理念を紹介した。

その理念に基づいた再開発の実績として、アークヒルズや六本木ヒルズを取り上げ、価値を高めるためにブランディングする「タウンマネジメント」の考え方で街を育むことにも取り組んでいることを紹介。六本木ヒルズでは田んぼを作って地域の子供たちが田植えや稲刈りをし、オフィスで働く人たちは「ヒルズブ!」を作って部活動をしている。そうした活動からさらなる交流が生まれ、場所としての価値を高めているとした。

また、米国では職種の陳腐化が凄まじい勢いで進行する一方、次々に新しい職種が生まれるとの予測があると述べ、これからの社会は変化のスピードがますます速くなることや日米で起業率に大きな差があることなどに触れた。森ビルは大企業とベンチャーのマッチングを支援しており、アートを取り入れた街づくりやMITメディアラボと共同研究を進めている。「都市とアートとテクノロジーをつないで、東京を世界に誇れる都市にしたい」と語った。

今後10年間で、虎ノ門周辺では10近いプロジェクトが動き出している。将来は新駅ができて交通の結節点になり、羽田や成田とも近い国際ビジネスセンターになる。虎ノ門ヒルズの完成は、そうした新しい街づくりの始まりなのだと結んだ。

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