山本正已・富士通社長--地産地消でグローバル化、米国は提携を武器に攻略

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山本正已・富士通社長--地産地消でグローバル化、米国は提携を武器に攻略

さまざまな憶測を呼んだ野副州旦元社長の辞任(2009年9月)と、それに続く一連の騒動に揺れた富士通。そのさなかの10年4月、山本正已社長を中心とした新体制が船出した。

従業員17万人を抱える巨艦であるだけに、野副元社長の改革路線はおおむねそのまま、急激な方向転換はない。とはいえ、社内外に波紋を呼んだ騒動後の舵取りはどうなっているのか。山本社長に聞いた。

──社長就任から8カ月。足元の状況はどうですか。

市場が変化する中で上期の業績はまずまずだったが、7~8月ごろからややスローダウン、不透明感が出ている。

ただ、ビジネスユニットそれぞれは強い。過去10年間にわたる構造改革のおかげで、赤字事業はゼロになった。半導体は(必要最低限の生産設備と委託を組み合わせた)ファブライトモデルがうまく稼働し始め、業績のぶれが大きいHDDは東芝に売却した。また、新執行体制に代わってから「守りから攻めへ」をキーワードに前へ前へと進めてきた。徐々に実り始めてきていると思う。

──社長就任を前に、コンプライアンスの問題が大きくクローズアップされました。

社内では「FUJITSU Way」という“憲法”を定めている。今回の一連の事件を通じ、社長だろうが一般従業員だろうが、その憲法に背けば相応の処分を受ける、ということがはっきりした。コンプライアンスはきちんと働いていると考えている。

逆にこれに従っていれば守られる、ということも再認識されたはずだ。社内的には、「雨降って地固まる」方向に働いた。社内の結束は逆に強くなったと思う。

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