勉強しても結果が出ない中学生「3つの傾向」 そこには大人でも陥りがちな心理が!

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まずひとつ目に考えられる原因です。それは「実は勉強をしていない」というものです。

岩谷さんの娘さんと同じ中学3年生の女子(仮名:柴田さん)を指導していたときのことです。柴田さんは中学2年生まで成績がよく、友達も多く、慕われる子でした。しかし中学3年になってから成績が落ちてきたのです。

今どきの「勉強ができる子」ならではの問題が!

保護者面談では、親御さんからは家では今までどおり勉強しているし、試験前も机に向かって一生懸命勉強しているので、原因がよくわからないというのです。そこで、私が柴田さんと直接面談をして、日常の世間話から試験前の勉強の様子について聞いてみたのです。

すると驚くことに、次のようなことがわかりました。それは「試験前に友達からメールがたくさんきて、それに対応していて勉強に集中できていない」ということでした。

勉強ができる子は、特にノートをしっかりとっているため、そのノートを写メ(写真で撮ってメールで送る)で送って欲しいと友達に頼まれることがあり、めったなことでは拒めないというのです。

この話を聞いて、私は早速、調査をしました。すると、勉強ができる子ほど、また女子のほうがこのような状況に巻き込まれていることがわかったのです。

こうした状況では、定期テストで点数が取れないこともうなずけます。では、こうした場合、どうすればいいでしょうか。メール対応をしなければ仲間外れになり、やがていじめにつながる……という固定観念が中学生の間には多く見られますので、無視することは現実的に難しいモノがあります。そこで私は柴田さんには次のようなアドバイスをしました。

「試験前は可能なかぎり塾へ来るように。そうすれば塾では携帯電話禁止なので対応できないと言えばいい」

このようにして、いつでもメール対応OKな環境から、塾という“圏外”へと移動させたのです。

対策としては、次のようなことも有効です。あるとき、埼玉県の中学校で保護者、生徒と話をする機会があり、試験前のメール対応問題について聞いてみました。すると、家庭内でメール対応に関するルールを作っているところは、大きな問題にならなくて済んでいるということがわかりました。

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