「中福祉中負担」は幻想--出でよ、負担増を語る“悪役”

「中福祉中負担」は幻想--出でよ、負担増を語る悪役

2011年度の税制改正大綱が決まった。民間からの要望が出始めた10年夏以降、二十数回開かれた政府税制調査会や数十回にわたって開催された民主党税調、それに民主党の「税と社会保障の抜本改革調査会」(いわゆる藤井調査会)などの議論を振り返ってみたい。

この数カ月間、実にいろんな論点が次から次へと浮かんだ。ナフサ減税の恒久化に始まり、地球温暖化対策税は、業界団体から総スカンを食らった。雇用促進税制や環境自動車税という隠し球もあり、途中、「第3のビール」増税という変化球も飛び出した。法人税減税は菅直人首相によるトップダウンで決着、という演出のオマケまで付いた。肝心要の消費税論議には入らずじまいだったが、論点、内容、見せ場とも盛りだくさん。「税とはまさに政治そのもの」と痛感させられた。

今回は、政権交代後、民主党が初めてゼロからつくる税制改正だ。その意味で、税に対する民主党の理念や姿勢が初めて本格的に問われた。税調幹部たちは、「個人の負担で法人税を下げるような印象を国民に与えないよう注意すべきだ」と警戒していたものの、懸念は見事に的中。大綱公表後のマスコミ論調は「法人は減税、個人は増税」一色で、1月以降の法案審議は難航が予想される。「大綱のうち、どれが残るのか」。関係者は早くも行方を不安視する。

力不足の法人税減税

今回の税制改正のキーワードは、「格差是正」と「デフレ脱却」に象徴される。理念なき税制改正という論評もあったが、列挙されたメニューを見るかぎり、民主党政権が格差是正を志向したことははっきりしている。議論も、自民党時代と比べると、格段に透明性を増した。皮肉なことに、民主党内に税や財政、経済のセンスのある国会議員がそれほど多くないこともよくわかった。これらの点は素直に評価したい。

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