(第47回)日本を変革するのは外部から来る経営者

(第47回)日本を変革するのは外部から来る経営者

日本経済停滞の基本的原因は、企業の経営にある。政府の成長戦略の欠如でもないし、円高でもない。また、法人税でもないし金融政策でもない。経営者が世界経済の大きな変化に対応できず、専門家集団を使い切れなかったことだ。

これまで述べてきたように、日本の半導体産業が敗れたのは、技術が劣化したからではない。優秀な(正確に言えば、優秀すぎる)技術者を経営者がコントロールできなかったからだ。そして、ビジネスモデルを転換できなかったからだ。

「専門家は重要だが、経営者はもっと重要」というのは、製造業に限ったことではない。野村証券は金融危機で破たんしたリーマンブラザーズの専門家を多数抱えた。しかし、十分に使い切れていないようだ。

日本経済再活性化のために、優秀な専門家は必要不可欠だ(特に先端的金融業務のような分野ではそうだ)。しかし、それだけでは十分でないことをこの例が示している。場合によっては、優秀すぎる専門家の存在が改革に対する最大の障害になってしまうことさえありうる。

ところで、成熟した組織の改革は内部からはできない。外から改革するしかない。IBMの場合もそうだった。結果的に成功しなかったとはいえ、AT&Tも経営者を招聘して外からの改革を試みた。

日本の場合には、「経営者のマーケット」が存在しない。だから改革者を外国に求めるしか方法がない。

実は、日本はこうしたスタイルの改革をすでに経験したことがある(望んだことではないが、結果的には成功した)。それは第2次大戦後の連合軍による占領である。最高権力者が入れ替わり、国家運営の最高目的が戦争遂行から経済成長に変わった。ただし、中央官庁のテクノクラートはほぼ無傷で残った。彼らが優秀だったから戦後の高度成長が実現できたのだが、それは最高権力者が外から日本に進駐してきて、経済成長という目的に正当性を与えたからだ。このようなスタイルによる外国人の利用は、明治期における「お雇い外国人」が専門家の招聘であったのと、ちょうど対照的である。

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