日本人の海外留学生数は増加!若者は内向き志向にあらず【映像あり】

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留学に適した年齢を20代とすると、89年の20~29歳人口は1675.6万人。少子高齢化が進んだ08年は1473.5万人と、20~29歳人口は202万人も減少している。

89年よりも圧倒的に経済状況が悪く、若者人口も減少しているのに、08年の留学生数は89年に比べて4万4035人も増加してる。

これで「若者の内向き志向強まる」と言えるのだろうか?

ここ数年だけの数字だけを取り上げて、若者=内向きと決めつけてしまうのは、あまりにも乱暴だ。26年間の留学生数の推移から見れば、海外志向は依然として高い水準にある。

また、 前出の10年の産業能率大の調査では「どんな国、地域でも働きたい」と回答した新入社員が27.0%だった(07年は18%)。この結果は若者の海外志向が9ポイント上昇していることを示している。

若者全体の内向き志向が強まっているのではない。内向き志向を強めている若者が増加している一方で、海外志向も強まっている。即ち、海外志向の二極化が進んでいるのだ。「ゆとり教育を受けた草食系の若者が、内向き志向を強めている」というのは、いかにもありそうな話であるが実態は違う。

若者に対して、「内向き」というレッテルを貼るのは、短絡的であるし、若者に対して失礼というものだ。安易な若者バッシングは聞き飽きた。彼らの意欲と可能性に期待したい。

(東洋経済HRオンライン編集長:田宮寛之)

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