あいおいニッセイ同和、英社買収の裏事情

欧州で先進分野に参入も、国内での立場は微妙

(写真: Imasia)

損害保険大手のあいおいニッセイ同和損害保険(MS&ADインシュアランスグループホールディングス傘下)が驚きの一手を繰り出した。

英国保険会社ボックス・イノベーション・グループ(BIG)の買収だ。金額は1億0500万ポンド(約200億円)。発行済み株式の75%をBIGの親会社である損保・再保険会社カトリン社とM.ブロックマンCEO(最高経営責任者)など経営陣から取得することで合意した。国内外の関係当局の認可を得て2015年2月ごろをメドに買収を完了する予定。

英国で最先端を走る自動車保険の会社を買収

BIGは持ち株会社で、傘下にあるInsure The Box社は設立が09年、営業開始から5年程度とまだ若い保険会社だ。リテール(個人)向け自動車保険、それもテレマティクス保険と呼ばれる先進的な商品に特化して成長しているのが特徴だ。

売り上げ(収入保険料)は200億円規模になっており、テレマティクス市場に限ればシェアは推定22%で首位、累計で30万件の販売実績を持つ。英国の同市場では最大手で代表的なブランドとなっている。損益はまだ赤字だが、来年以降の黒字化が射程に入りつつある。

あいおいニッセイ同和が200億円という、同社としては海外で過去最大規模の買収に踏み切ったのは、それだけこのテレマティクス保険の市場に魅力を感じたからに他ならない。

テレマティクス保険とはどういうものか。まず、テレマティクスとは、自動車などの移動体に通信システムを組み合わせて、リアルタイムに情報サービスを提供すること。テレマティクス保険は、専用の情報端末をクルマに取りつけ、通信機能を利用して、移動するクルマの走行距離、現在位置、急発進・急加速などの運転特性をリアルタイムでとらえ、それを保険料に反映する自動車保険だ。

テレマティクス保険は、従来は走行距離と年齢に応じて保険料を設定するPAYD(Pay As Your Drive)型だったが、現在では、保険料を個人の運転特性などに応じてきめ細かく設定するPHYD(Pay How Your Drive)型が出てきており、米国や欧州では普及し始めている。

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