JT小泉社長、「ルーブル暴落は想定外だ」 たばこシェア3割超のロシア市場がピンチ

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急速に進むルーブル安に対し、「ウルトラCの解決策はない」と語る小泉光臣JT社長(撮影:梅谷秀司)

「来年度もルーブルがこのままの水準が続くと相当な影響を受ける。ウルトラCのような解決策があるかというと、ない」――。JTの小泉光臣社長は最近のルーブル急落による業績への影響をこう語る。

JT(日本たばこ産業)は売上高の52.9%、営業利益の58.0%を海外たばこ事業が稼ぐ(2013年度)。その海外市場で最も大きな割合を占めるのがロシアだ。

ロシアのたばこ市場は急縮小

JTはロシアのたばこ市場において、35.7%のシェアを有し(2014年6月時点)、業界首位の座にいる。13年度は円安による換算上のカサ上げ効果があったものの、ロシアとウクライナなど旧ソ連地域における売上高はJT全体の18%、調整後EBITDA(営業利益に減価償却費などを足した指標)は同24%にのぼる。

ロシアはJTにとって海外において最重要の市場だが、状況はきわめて厳しい。たばこ市場が日本以上のスピードで縮小しているのだ。ロシアでは、たばこの規制強化と度重なる増税で需要減が進み、14年7月~8月の市場規模は前年同期比10.4%減となった(JTインターナショナル調べ)。それでも、これまでは販売数量減を値上げ効果、高価格品の伸びで吸収し、売り上げ、利益ともに成長させてきた。しかし、足元のルーブル安でさらに市場環境は厳しくなるものとみられる。

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