日経平均390円高、終値1万7210円 外部環境の改善などで大幅続伸

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 12月18日、東京株式市場で日経平均は大幅続伸。一時454円高となり、3営業日ぶりに1万7200円台を回復した。東京証券取引所で10月撮影(2014年 ロイター/YUYA SHINO)

[東京 18日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は大幅続伸。一時454円高となり、3営業日ぶりに1万7200円台を回復した。米連邦公開市場委員会(FOMC)声明を受けた米株高・ドル高が日本株に追い風となり、東証1部全体の約86%が値上がりした。

もっとも一部の主力株には戻り売りもみられ、自律反発の域を出ないとの冷静な見方が出ている。

FOMC声明文は、経済に明るい見方を示す一方、利上げに関しては忍耐強くアプローチするとの考えが表明され、前日の米ダウ<.DJI>が288ドル高。ドル/円<JPY=EBS>も一時119円台へと上昇し、外部環境の改善から日本株は反発機運が高まった。

原油相場やロシア通貨ルーブルの下げに一服感がみられたことも、市場心理の好転につながったという。

日経平均は8日の高値1万8030円から前日安値まで1300円を超える下げとなっており、FOMC通過を機に押し目買いや買い戻しなどが入りやすい。もっとも、韓国の総合株価指数<.KS11>や中国・上海総合指数<.SSEC>などアジア株がさえず、日本株は次第に上値の重い展開となった。トヨタ自<7203.T>など主力株の一角が戻り待ちの売りなどで伸び悩んだことも響いた。

松井証券・シニアマーケットアナリストの窪田朋一郎氏は「原油価格の動向やロシア情勢に対する懸念などが終息しておらず、市場に不安定さは残る。CTA(商品投資顧問業者)による日本株売りも一服した兆しはなく、再び下値模索の展開になることも想定される」という。

目先は日経平均の12月SQ(特別清算指数)値1万7281円や25日移動平均線(1万7404円19銭=18日)が戻りめどとして意識されやすいという。

個別銘柄では、石塚硝子<5204.T> がストップ高。17日、高級陶磁器メーカーの鳴海製陶(名古屋市緑区)を買収するとの発表が買い手掛かりとなった。

半面、関西電力<9503.T>が一段安。電気料金の再値上げへの準備を表明した前日は上昇したものの、価格競争力の低下に対する懸念が広がった。

東証1部騰落数は、値上がり1608銘柄に対し、値下がりが169銘柄、変わらずが77銘柄だった。

日経平均<.N225>

終値     17210.05 +390.32

寄り付き   17142.95

安値/高値  17136.41─17274.23

 

TOPIX<.TOPX>

終値       1376.32 +24.31

寄り付き     1377.77

安値/高値    1374.39─1389.69

 

東証出来高(万株) 272884

東証売買代金(億円) 28877.73

 

(杉山容俊)

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