NTT社長、「ドコモにいろいろ言いたくなる」 稼ぎ頭が変調、どうする巨人NTT(上)

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これまでは成長段階だったため、自由にさせていたというか、ドコモの動きを尊重していた。だが、グループの顔になる以上は、期待度が高い分だけ、私もいろいろなことを言いたくなる。

固定通信と携帯電話事業が分かれているだとか、ハンデがあるといった言い訳はもうできない。われわれは持ち株会社で株主だし、そのほかの株主に対しての責任も果たせと(ドコモに)言っている。

うのうら・ひろお 1973年日本電信電話公社(現 日本電信電話)入社。2007年常務取締役。NTTインベストメント・パートナーズ社長、08年副社長を経て12年6月より現職

――NTTの中間決算見では、現在のドコモの経営陣でV時回復できるのかという質問も出た。

そこにはあまり触れたくない。頑張ってもらうしかないし、言い訳できない状況で本気でやれば力はある。短期間で評価するなということだ。15年に光コラボを始めたからといって、すぐに業績が上向くわけではない。新しいサービスが生まれるまで、一定の時間は必要だ。

急激に収益が落ちたことに対しては申し訳ないが、数年間、痛んできた状態を建て直すためにやるのだから、時間はかかる。だが、できるだけ短期に結果を出していきたい。持ち株会社もさまざまなサポートをしていく。瞬間的な業績の悪化がいろんな反応を引き起こしているのは事実だが、短期ではなく、中期で見てほしいとい言うしかない。

新しい成長モデルをつくる必要がある

――厳しい声があるのは、ドコモが10年近く8000億円前後の営業益にとどまっているからでは?

確かに、実力値として厳しくなっていたのは間違いない。コストカットで何とかしのいできたわけだ。それが、もう一段コストカットしなければならなくなり、新しい成長モデルを作らなければならない時期にきた。

端末や回線を熾烈な競争で売る時代は終わる。2台目、3台目の端末を持ったり、固定電話の番号を携帯でも使えるFMC(Fixed Mobile Convergence)の時代にも入ってきた。競争のあり方が変わってきたのだから、ドコモがスピードを上げていかなければならないのは当然だろう。

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