スティールがサッポロから完全撤退、本社も移転し戦線を大幅縮小

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 10月の売りと12月の完全売却とは意味合いが大きく異なる。スティールのファンドは年1回、12月に解約可能で、金主への意向伺いは毎年9月に始まる。10月の売りはサッポロ株の株価低迷に難色を示した金主をつなぎとめるために、低迷株を売る姿勢を金主に見せただけに違いない。

しかし、それでは収まらず、金主の資金引き上げにともない、サッポロからの完全撤退を余儀なくされたというのが真相ではないか。
 
 もしそうでなければ、年初にも新たな標的に投資を開始するに違いないが、過去2年、スティールが新たに買い増したのはユニヘアーのみ。スティールが新たな投資先を見つけて日本株を買い増すとは考えにくい。

むしろ不気味なのは、スティールから18%ものサッポロ株を市場外で取得した本尊だ。自己株買いの発表がないことからサッポロ自身の可能性は薄い。12月21日現在、大量保有報告の届け出もない。
(張子渓、山田雄一郎 撮影:今井康一 =東洋経済オンライン)

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