事後レポ

経営者のための事業承継・M&A活用フォーラム

~東洋経済フォーラム2014~

会社をいかに次世代に引き継ぐか――。そんなオーナー経営者の悩みを解決する方策の一つとして、M&Aの活用を考える「経営者のための事業承継・M&A活用フォーラム」が11月、大阪、東京で開催された。
【主催】東洋経済新報社
【協賛】M&Aキャピタルパートナーズ
【後援】日本小売業協会

特別講演(大阪会場)
「次世代への創業マインドの継承」
~オムロンの企業理念経営から~

オムロン 取締役会長
立石 文雄 氏

オムロン会長の立石文雄氏は、創業者で父の一真氏の創業マインドをベースにした基本理念「企業は社会の公器である」と「チャレンジ精神の発揮、ソーシャルニーズの創造、人間性の尊重」という経営理念などからなる「企業理念」を求心力の源泉とする経営について語った。立石氏は「現場社員、お客様に向けて、遠くまで理念を届けられない会社は方向性を失ってしまう」と理念共有の大切さを強調。チャレンジ精神発揮の取り組みを発表するコンテストTOGA(The OMRON Global Awards)を開催するなど、理念の浸透を図ってきた。また「これからの企業価値には、非財務指標、つまり見えない資産が非常に大事になる」と述べ、企業の持続性を支える理念の浸透、ガバナンス強化が企業価値向上の要因になるという考え方を示した。

特別講演(東京会場)
「多岐亡羊の時代」
~我等は今、何処にいるのか。~

アークス 代表取締役社長
横山 清 氏

北海道、東北地方でスーパー10社を統合し、ホームセンター3店舗を含む計315店舗を運営するアークスは、同じ大きさの会社が並ぶグループ経営「八ヶ岳連峰経営」を標榜し、売上高5000億円を視野に入れる流通グループへと規模を拡大してきた。社長の横山清氏は「生き残っていくためには、ある程度の規模が求められる。中堅中小が大手と互角に戦うには、力を合わせる必要がある」と、純粋持ち株会社によるM&Aや、業界団体の統合を推進してきた。M&Aを成功させるためには、「Merger and Acquisition(合併・吸収)ではなく、Mind and Agreement(心と意見の一致)と考え、同志としてやっていくことが大事」と強調。「次の目標は1兆円。さらに中央・西日本にも連合を展開して3兆円とする夢もある。枝道の多い時代だが、その分、チャンスも多いと思っている」と語った。

体験発表(大阪会場)
「譲渡決断の経緯 ~そして今、思うこと」

クラカタ商事 名誉顧問
蔵方 肇 氏

総合ビルメンテナンス会社、クラカタ商事を経営していた蔵方肇氏が、M&Aキャピタルパートナーズ(MACP)に出会ったのは2年前。蔵方氏は「自分ではまだ元気なつもりだったが、70歳を過ぎた社長の年齢を不安視する向きも社内に出始めていたことから、会ってみようと思ったことがきっかけでした」と話す。大手企業に勤める息子に継いでもらうことも含めて検討したが、譲渡先として紹介された企業から、社名も、社員の待遇も変えず、今のまま引き継ぐという方針が示され、最大の関心事だった会社の仲間たちの処遇についての懸念が払拭されたことが決め手になった。蔵方氏は「私の場合、創業の経緯も、会社の基盤の獲得も、人との出会いでした。M&Aも、いい買い手企業との出会いが大事だと思います」と訴える。そして今も時折、会社に行き、生き生きと働く仲間たちの様子を見て「決断してよかった」と感じている。「M&Aに関する専門的な知識、情報を持つアドバイザーが誠実に対応してくれた」という信頼も1年半にわたる検討、交渉作業を支えた。同社を担当したMACPの池ヶ谷博章氏は「相手から高い評価を得るには、会社も従業員も元気なタイミングで決断することが大事です」とまとめた。

モデレーター:
M&Aキャピタルパートナーズ 池ヶ谷博章氏
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