「ボッチ」のためのクリスマス年越し講座 1人で安く楽しむ至極のコンビニ食はこれだ!

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坂口 ただ、プライベートブランドは4~5年前まで決して踏み込めない「聖域」と呼ばれていた分野にも、どんどん進出しています。例えば既存企業が強い「洗剤」や「出版」などには入り込めないと言われていましたが、今ではセブンプレミアムが洗剤を出したり、出版にはローソンが「ローソン新書」で進出するなど十分な売り上げをあげています。

もしかしたら「今は絶対無理!」と言われている分野も、近い将来プライベートブランドで埋め尽くされてしまうかもしれません。

常見 コンビニのビジネスの考え方は「あるスペースにおいてその時間でいくら売上が立つか」というものですから、そこに合致する商品をつくれるのであれば、プライベートブランドはこれからも拡大を続けるでしょうね。

余談ですけど、私はリクルートに在籍していた頃、最後にやっていた仕事は『じゃらん』だったのですよ。当時も、そして最近も、セブン-イレブン限定の『じゃらん』のムックなどありますからね。このように、出版でも流通限定商品というものがあるわけですねえ。

集まり消費の時代?

常見 坂口さんとのお話で、一つ気づきました。「正真正銘のボッチ」以外は「年末、コンビニのおせちは安いし、みんなで食べようか?」とか「俺たち彼女いないし、ファミマのプレミアムコンボ買ってみんなで食うか?」を口実に、集まって何かを消費することで、クリスマスと年越しのボッチを回避できるんじゃないですか?

坂口 そうですよ、常見さん。コンビニには、一人で美味しく食べれらるものが充実してきている一方で、確実に「みんなで集まって消費するスタイル」は広がってきていますよ。

常見 「つながり消費」ならぬ「集まり消費」ですな!

坂口 いい言葉ですね。今は確実にそういった環境は整ってきていて、東北のあるイオンでは、イオンなのにお客さん集めて「ゴルフコンペ」開催したりしていますからね(笑)

常見 なんですか、それ!?

いやあ、さすが坂口孝則さん、プロを感じる話がいっぱいだった。話は「つながり消費」ならぬ「集まり消費」の話に。次回は調達のプロが語る、流通の最新トレンド。期待して頂きたい!

 

常見 陽平 千葉商科大学 准教授、働き方評論家

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つねみ ようへい / Yohei Tsunemi

1974年生まれ。北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業。同大学院社会学研究科修士課程修了(社会学修士)。リクルート入社。バンダイ、人材コンサルティング会社を経てフリーランス活動をした後、2015年4月より千葉商科大学国際教養学部専任講師に就任。2020年4月より現職。専攻は労働社会学。大学生の就職活動、労使関係、労働問題を中心に、執筆・講演など幅広く活動中。『僕たちはガンダムのジムである』(日本経済新聞社)『「就活」と日本社会』(NHK出版)『「意識高い系」という病』(ベストセラーズ)など著書多数。

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