「マッサンvs.角瓶」 国産ウイスキーの激戦 スーパー、コンビニ・・・お酒売り場最前線

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ハイボール缶で総菜売り場にも進出

近年、サントリーでは新ジャンルの「金麦」や「角瓶」のハイボールなどで、酒と食との連動を打ち出してきました。角瓶のCMではからあげとハイボールがコラボレーション。スーパーでは缶タイプの「角ハイボール缶」や「トリスハイボール缶」を総菜売場の揚げ物コーナー近くに陳列するなど、他ジャンルの商品と関連販売するいわゆるクロスマーチャンダイジング(MD)の手法も積極的に展開しています。炭酸水も氷もいらない手軽な缶のハイボールはビール類やチューハイの購買層にも響いており、大きく伸長しています。

アサヒビールも2014年12月2日から2015年3月末までの期間限定品として「竹鶴ハイボール」「リタハイボール」のハイボール缶を発売。人が集まる年末年始、缶ハイボールは家飲みの新定番となりえるかもしれません。

復刻版で昔のファンを呼び戻せ

国産ウイスキーに注目が集まる中、昔ウイスキーを飲んでいた層に戻ってきてもらうための仕掛けも各社で見られます。アサヒビールからは2015年1月27日に「初号ブラックニッカ復刻版」、2月24日に「初号ハイニッカ復刻版」をそれぞれ発売。第3弾の発売も予定されています。

居酒屋など飲食店でもハイボールがすっかり浸透(写真: 十兵衛 / Imasia)

サントリーも「サントリーウイスキー角瓶43度 復刻版」を2月17日から数量限定で発売。ともに、発売当時の味わいやラベルを再現、売り場ではアサヒが竹鶴政孝、サントリーは鳥井信治郎のストーリーをボードやリーフレット等で見せ、ユーザーの掘り起こしを狙います。

ハイボールで楽しんだ後は、ウイスキーの歴史に思いを馳せながらゆっくりと味わう。どちらもロングセラーと呼べる商品だけに、コアユーザーに響く商品となりえそうです。

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