『トロン:レガシー』--人間の恐れる人間が作ったシステム《宿輪純一のシネマ経済学》

本作品はリメークではなく、同じコンセプトで時代を経た続編である。前作『トロン』は、筆者が高校生であった1982年の公開。その時代でも、トロン(TRON)という響きから、高校生ながらに最先端のコンピュータの雰囲気を感じた。それは、かなり衝撃的な映画だったのを覚えている。それはコンピュータグラフィックス(CG)が初めて本格的に導入された映画で、それまで見たことがなかった映像だったからである。

それから28年が経ち、CGの分野でも3Dが全盛となって、続編の『トロン:レガシー』が満を持して製作された。最も印象的であった「テレビゲーム的CGバイク」も登場する。前作の主人公を演じたジェフ・ブリッジスが、また登場するのも涙である。


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IT業界のカリスマとして名を馳せたエンコム社CEOだったケヴィン・フリン(ジェフ・ブリッジズ演じる前作の主人公)が謎の失踪を遂げてから20年が経ったところから、本作はスタートする。27歳に成長した息子のサム(ギャレット・ヘドランド)に、突然、父からメッセージが届く。オフィスの地下に秘密の研究室を発見した彼は、閃光に包み込まれる。前作同様にコンピュータシステムの中に入ってしまう。
 
 そこは、サムの父がかつて夢見ていた理想の世界の光景が現実となっていた。だが、父の行方は知れず、お約束の展開ながら、コンピュータシステムの世界の独裁者「クルー」に命を狙われることになる。このサムを救ったのは、謎に満ちた女性クオラ(オリヴィア・ワイルド)だった……。

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