中国のバブル崩壊はあるのか? 世界最大の投信・バンガードのレムコ氏に聞く

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中国がサステナブルな経済成長を続けられるかどうかは、習近平国家主席や李克強首相が、改革に抵抗する勢力を抑えつつ、経済構造改革を推し進められるかどうかに懸かってきます。逆にいえば、中国の両首脳に「抵抗勢力」を抑えこむ力がなければ、中国経済の成長に暗雲が垂れこめることになりかねません。

――インドでは改革派のモディ政権が誕生、期待が高まっています。

現在、アセットマネジメントのビジネスに関わっている多くの人が、これからのインド経済に注目しています。2014年5月に就任したモディ首相は、改革を前面に押し出しており、国民からの支持も厚いものがあります。

特に道路を中心に、インフラ整備を活発に行っており、これから経済の生産性、効率性は飛躍的に高まっていくと期待しています。ただし、モディ首相に対する期待値は高すぎるのではないでしょうか。すべての公約を実現できるという保証は、現時点ではどこにもありません。その点は、投資家も留意しておく必要があると思います。

――インド以外ではどんな新興国に注目していますか?

インドネシアです。2014年7月に就任したウィドト大統領は、改革の旗手として注目されています。経済情勢も安定しており、財政面も良好です。

ただ、議会が大きく割れていますね。大統領の改革に対して反対している抵抗勢力の力も強く、大統領がこれから進めようとしている改革が、頓挫する恐れもあります。

一方、フィリピンは政治のリーダーシップがあり、海外に出稼ぎに行った人の送金に頼らなくとも経済が回るだけの多様化が進んでいますね。今、政治リスクが低く、アジア新興国で最も注目される国はフィリピンだと思います。

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