実は大健闘「FNS歌謡祭」は誰が見た? アルフィーとNMB48をコラボさせる理由

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コラボレーションとは、複数のアーティストで同じ曲をデュエットのようにして歌うという手法。昨年の「FNS歌謡祭」でも、もちろん、使われていましたが、今年は、「若者×年輩」の組み合わせが例年よりも多かったように思います。その象徴的な例をいくつか挙げます。

近藤真彦×嵐×KAT-TUN  「ギンギラギンにさりげなく」(1981)
THE ALFEE×miwa×山本彩(NMB48)  「メリーアン」(1983)
とんねるず×AKB48グループ  「ガラガラヘビがやってくる」(1992)
鈴木雅之×西内まりや  「幸せな結末」(1997)

(出所:フジテレビHPより)

見ていただくとわかるように、異なる世代、場合によっては親子ぐらい離れたアーティストをあえて組み合わせています。同じ世代同士を組み合わせても視聴者層が限られてしまうので、あまり組み合わせないのです。たとえば、THE ALFEE×miwa×山本彩(NMB48)と組み合わせれば、

・THE ALFEEのファン(主に中高年)
・miwaのファン(主に若者)
・NMB48のファン(主に若者)

の3つのロイヤルスタマーを同時に獲得することができます。

さらに曲自体は、中高年層になじみのある曲なので、特に誰かのファンではなくとも、なんとなく見てしまう浮動層も取り込めます。

コラボ賛成派と反対派、それぞれの見方

当初、こうしたコラボレーションは、純粋な“音楽的実験”として始まったと思います。このアーティストとこのアーティストを組み合わせたらどんな化学反応が起きるだろうかと。洋楽でも、ポール・マッカートニー×スティービー・ワンダーの「エボニー・アンド・アイボリー」、デヴィッド・ボウイ×クイーンの「アンダー・プレッシャー」など、豪華アーティストが共演した名曲は数多くあります。

ただし、日本の音楽番組でのコラボレーションについては、視聴者の間でも意見が分かれるところです。コラボレーションでは口パクは難しいでしょうから、歌手の力量がそのまま出ることになります。すると、生歌ならではのハプニングが生まれますが、それをよしとするかは賛否両論があります。

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