トヨタ「エスティマ」が全面改良しない理由 新型ミニバン「エスクァイア」が後継車?

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一方で、エスクァイアはノア/ヴォクシーと同様に日本専用モデルであり、それだけ日本のユーザーの需要に応える造りがなされている。エスティマと比べるとボディサイズは小さいが、スクエアな形状により室内はむしろ広く感じられる。インテリアもわかりやすく高級感をアピール。シートアレンジのバリエーションも多彩で収納スペースも充実しており、使い勝手も高い。

走りの味付けはヴォクシー/ノアと基本的に共通で、むろんエスティマに比べると、設計年次こそ新しいが、トレッドやホイールベース、重心高の違いなどによる基本的な素性の違いは拭えないものの、そつなくまとまっていて大きな不満はない。

「エスティマの代わりではない」というものの…

トヨタの開発担当者は「エスクァイアを決してエスティマの代わりにしようとしたワケではない」と話すが、さまざまな要素を鑑みるとエスティマのフルモデルチェンジを待たずに国内市場を開拓していくため、専用の新型ミニバンとしてエスクァイアが投入されたという側面はありそうだ。

一時期は車高を落とし、エアロパーツをまとってど派手にドレスアップしたエスティマをよく見かけたものだが、今、それが圧倒的に多いのはアルファード/ヴェルファイア。エスティマを買い求めるのは、子育て期にミニバンを愛用して、その便利さを知り、やがて子供が独立してミニバンは不必要になったが、便利だからとミニバンを選び、経済力もあるという人が多いのだという。

これらの状況を鑑み、あまりエスティマの次期モデルの開発を急ぐ必要はないとトヨタも考えているのかもしれない。ただ、先進性やスペシャリティなミニバンといえば、やっぱりエスティマが思い浮かぶ。トヨタにもいろいろ事情はあるだろうが、もし開発を進めているのならば少しでも早く次期型の姿を見たい、というのがエスティマファンの本音であろう。

岡本 幸一郎 モータージャーナリスト

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おかもと こういちろう / Koichiro Okamoto

1968年、富山県生まれ。大学卒業後、自動車情報ビデオマガジンの制作、自動車専門誌の編集記者を経て、フリーランスのモータージャーナリストとして独立。軽自動車から高級輸入車まで、国内外のカテゴリーを問わず幅広く市販車の最新事情を網羅するとともに、これまでプライベートでも25台の愛車を乗り継いできた経験を活かし、ユーザー目線に立った視点をモットーに有益な情報を発信することを身上としている。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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