不吉?日経平均とNYダウが交わるとき 2013年の悪夢再来か、新たな兆候か

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その後は両者ともリーマンショックの調整安の中で、同じような数字の関係で低迷するが、2010年からの、アメリカの独り勝ち経済へ移行する過程においての、ダウの順調な上昇で、日経平均は水をあけられていく。しかし、アベノミクスの登場で、今度は日経平均が再びダウを追いかけて、今日に至っている。

「3度目の下落」か、それとも「3度目の正直」か

前出のように、2013年以降で最近2回あったダウとの接近の時、日経平均は天井を付けている。今回は3回目となるが、独り勝ち・アメリカの「ダウ平均」を、普通の国・日本に没落した「日経平均」が抜くのはタブーなのか?

上下関係を壊したとして「天罰」が下るのか?それとも「3度目の正直」となり、日本栄光の時代へ突入して、日経平均の独歩高となるのか?はたまたここが長期低迷の入り口で、ダウが経験したような「日経平均の死」が叫ばれる時が来るのか?興味津々である。

もちろん為替を無視して、数字部分だけを比較する蓋然性はないし、ダウ指数にしても、過去からの継続性に問題がある。理論的ではないことは百も承知だが、2013年5月の大波乱や、同12月の天井の付け方の記憶がまだ鮮明にあるうちに、同じようなことが起きるかもしれない、ダウと日経平均の関係。注意は必要であろう。

さて、今週の予定は日本に注目材料が多い。月曜日の8日は7-9月期GDP改定値が発表される。11月17日のGDPショックの速報値よりは上方修正されているような感じもするが・・。

また、10日水曜日の10-12月期の法人企業景気予測調査も重要だ。11日の木曜日は機械受注、そし12日の金曜日はメジャーSQ。今週は重要な局面を迎えたようだ。

今週の予想レンジは、下値1万7500円、上値は1万8300円(2008年のリーマンショック前につけた日経平均の戻り高値、2007年7月、ザラ場ベース)としたい。

平野 憲一 ケイ・アセット代表、マーケットアナリスト

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ひらの けんいち

日本証券アナリスト協会検定会員。株一筋約45年。歴史を今に生かすことのできる「貴重なストラテジスト」として、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌への出演や寄稿記事多数。的確な予想で知られ、個人投資家の間には熱烈な「平野ファン」がいることでも有名。1970年に立花証券入社以来、個人営業、法人営業、株ディーラーを経て、2000年情報企画部長マーケットアナリストとして、投資家や各メディアに対してマーケット情報発信をスタート。2006年執行役員、2012年顧問就任。2014年に個人事務所ケイ・アセット代表。独立後も、丁寧でわかりやすい解説を目指す。

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