駅ナカで人気の“賢い”自販機、性別や年代でオススメを表示

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JR東日本の駅構内に、IT技術を駆使した飲料の次世代自動販売機が登場した。特徴は47型のタッチパネル画面。普段は宣伝メッセージを表示し、客が近づくと商品画面に切り替わる。その際、画面上部のカメラで性別や年代を判別。時間帯や気温なども考慮して、お薦めの商品を提案する“賢さ”が売りだ。

8月に品川駅に2台設置したところ、飲料の売り上げは既存自販機の約3倍を記録。11月からは東京駅に5台設置したほか、2012年3月までに500台を東京近郊の駅に設置する予定だ。

駅ナカという好立地をテコに、JR東日本では飲料の自販機事業を拡大。09年度の売上高は05年度比34%増の235億円まで膨らんだが、「顧客との接点をもっと増やすには、従来機では限界があった」と、同社の飲料事業を手掛けるJR東日本ウォータービジネスの阿部健司・自動販売機事業部長は話す。

次世代機はさらに、高速無線通信網を利用して顧客の購入データをサーバーに蓄積するPOSシステムを導入。品川駅で集めたデータによると、果汁飲料は当初女性に好まれると考えていたが、実は男性が夕方や夜に購入するケースが多いと判明。そこで11月中旬に発売した青森りんごの新製品は、男性も意識した包装にした。新たな取り組みで消費者の心をつかめるか。

(中島順一郎 撮影:吉野純治 =週刊東洋経済2010年12月11日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

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