腐敗する中国、映画に描かれたその実態

ロシアにも共通するゆがんだ資本主義の弊害

中国の一党独裁体制は一気に崩壊する危険性もはらむ(写真:Rawpixel / Imasia)

私たちが生きている時代はしばしば芸術という鏡にいちばんはっきりと映し出される。共産主義後のロシアと中国について多くが書かれてきた。が、最近の2本の映画、2013年に中国で製作された賈樟柯監督の『罪の手ざわり』と、今年ロシアで製作されたズビャギンツェフ監督の『リバイアサン』は、私が見たどの印刷物より正確に、両国の社会的および政治的な情勢を明らかにしている。

救いはないが視覚的にすばらしい物語

どちらも物語には救いがないが、視覚的にすばらしい。そして、不動産が大きな役割を果たす。『罪の手ざわり』では、地元の実力者が地域共同所有の資産を奪い取り、売りさばくことで飛行機を個人所有するほどの億万長者となる。中国共産党がなお支配しているが、ロシア同様、マルクス主義が忘れ去られたこの新しい中国では、すべてが売り物であり、毛沢東主義時代の装飾品でさえそうだ。

『リバイアサン』の物語は、純朴な機械工ニコライが作った家に焦点を合わせる。彼の不動産は、そこに新たな教会を建てる権利と引き換えにロシア正教会から金を受け取った、腐敗した町長によって奪われる。ニコライは妻殺害のぬれぎぬを着せられ、不正な裁判官によって裁かれることで破滅させられる。

不動産、建造物、土地は、中国やロシアの犯罪集団にとっても権力の共通通貨だ。ほとんど一夜にして新たな巨大都市が出現し、中国が莫大な建設現場に変容した一因は、資産収奪と建設によって政治権力を金に変えた中国共産党の支配下で、このやり方でひどく腐敗した経済の急拡大が推し進められたからだ。

プーチン大統領の統一ロシアが、中国共産党とは異なり、どんな形のマルクス主義にもくみしないことは重要でない。両政府の運営はかなり似ている。党の実力者、財界の大物、腐敗した官僚が分捕り品を山分けにする一方、愛国主義や「伝統的な価値」(ロシア正教であれ、儒教であれ)を奨励する。党の実力者らが超法規的な状態にとどまるため、裁判官たちは買収されたり脅されたりしている。

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