「空飛ぶトイレ」「グリーントイレ」って何だ?

極楽トイレから世界の屋外排泄を考える

 日本のトイレはもはや排泄するだけの場所ではない。日本人の「清潔好き」と「技術力の高さ」が相互にトイレ環境を磨き上げ、独自の発展を遂げ、かつてない高みに到達している。この特集では、日本のトイレ文化が世界にもたらす未来について、5日連続で紹介していく。4日目は、LIXILに未来のトイレと新興国のトイレ問題を伺う。
1日目「日本のトイレは排泄するだけの場所じゃない!」はこちら。
2日目「81歳創業者はなぜトイレを素手で磨くのか?」はこちら。
3日目「「TOTOトイレ開発100年」が日本人を変えた!」はこちら。
LIXILの最新型「サティス」

ハイテク化が止まらない

トイレの進化はどこまで進むのか。一歩先行く未来のトイレを探しに、LIXIL(旧INAX)のショールームを訪ねた。最新型の「サティス」が並んでいる。

「お掃除リフトアップ」

いちばん驚いたのは、「お掃除リフトアップ」という機能だ。リモコン操作で、便座が自動で上に上がる。便座と便器の透き間を奥までしっかり拭けるようにだ。それだけ透き間の汚れをきれいにしたい、楽に便座を外したいというニーズがあるのだろう。

同社のトイレ・洗面商品部企画1グループのチームリーダー、曽我部伸雄さんが説明する。

「便座が上がる高さは5センチです。男性の厚い手でぞうきんを持ってもふけるというのが、こだわりです」。これは男性もトイレ掃除をしたい、いや、しなさいという消費者の声なのだろうか。

リモコンで下に下げるときには万が一、手がはさまっても、安全装置がついており、感知して上がる。

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便座の継ぎ目がない

「便座の継ぎ目もありません」と胸を張る曽我部さん。なぜなくしたのか。継ぎ目に汚れがつきやすく、掃除に苦労している消費者がいるからだ。

「普通は便座の表面と裏面をくっつけるときに継ぎ目ができるのですが、溶着して圧力をかけ研磨機でカットすることで継ぎ目そのものをなくしました」

消費者のニーズに応え続けるメーカーの技術力に頭が下がるが、継ぎ目の汚れをどうにかしたいと考える日本人の徹底した衛生観念もすごい。

スマートフォンでシャワートイレを自分好みに設定

スマートフォンにも対応。専用アプリをダウンロードすると、洗浄位置や水量の強弱など、シャワートイレを自分好みの使い心地に設定できる。

しかし、トイレの中に設置されているリモコンで操作できるなら、スマホは不要ではないか。

「行きすぎという声もあるのですが(笑)、家族でトイレを使う場合、お尻を洗う強さが各自で違ったりします。スマホを持ったままトイレに入る方も多いので、あらかじめ設定しておけば、操作がより簡単になります」

これらの機能は、高齢化社会も見据えている。年を取ると中腰になって便座を取り外したり、体をひねってリモコンの設定を切り替えたりするのが難儀になってくるからだ。だが、スマホには抵抗がない高齢者が増えている。

今後の進化の方向は「自分好み」「高齢化対策」と、より消費者に優しくなっていくのだろう。

ケニアで「水と電気を使わないトイレ」を開発中

トイレのハイテク化に力を注ぐ一方で、LIXILでは「水と電気を使わないトイレ」をケニアで開発中という。そのプロジェクトを進める山上遊さんが、ちょうどケニアから帰国していたので話を聞いてみた。「トイレ愛が強い」(広報)女性らしい。

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